この記事では、IT企業のホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間(1か月)」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました。
激務度は残業時間(時間)+(100-有休消化率(%)) で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」=ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例:残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度=20+(100-70)=50(ポイント)となります。
【一覧表】隠れホワイト企業ホワイト企業ランキング
全国のニッチトップ企業やBtoB企業、高い専門性を持つ優良企業の中から、OpenWorkの最新データを基に「平均残業時間」と「有休消化率」の両方が取得でき、特に激務度が低い企業を厳選し、ランキング化しました。
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企業名 |
残業時間 |
有休消化率 |
激務度 |
|
東洋水産株式会社 |
15時間 |
88% |
27 |
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株式会社キーエンス |
18時間 |
80% |
38 |
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株式会社小松製作所(コマツ) |
20時間 |
80% |
40 |
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株式会社堀場製作所 |
22時間 |
80% |
42 |
|
大王製紙株式会社 |
23時間 |
78% |
45 |
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株式会社村田製作所 |
25時間 |
80% |
45 |
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積水化学工業株式会社 |
25時間 |
76% |
49 |
|
三菱重工業株式会社 |
24時間 |
75% |
49 |
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ダイキン工業株式会社 |
26時間 |
76% |
50 |
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オリンパス株式会社 |
27時間 |
77% |
50 |
|
日本特殊陶業株式会社 |
28時間 |
77% |
51 |
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株式会社マキタ |
26時間 |
74% |
52 |
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株式会社クボタ |
27時間 |
74% |
53 |
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株式会社神戸製鋼所 |
28時間 |
74% |
54 |
|
株式会社荏原製作所 |
29時間 |
74% |
55 |
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HOYA株式会社 |
30時間 |
74% |
56 |
|
日本精工株式会社(NSK) |
31時間 |
74% |
57 |
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川崎重工業株式会社 |
32時間 |
74% |
58 |
|
株式会社IHI |
33時間 |
74% |
59 |
|
AGC株式会社 |
30時間 |
70% |
60 |
|
株式会社リコー |
31時間 |
70% |
61 |
|
日本ガイシ株式会社 |
32時間 |
70% |
62 |
|
富士電機株式会社 |
33時間 |
70% |
63 |
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日本板硝子株式会社 |
34時間 |
70% |
64 |
|
住友電気工業株式会社 |
35時間 |
70% |
65 |
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東芝エレベータ株式会社 |
30時間 |
63% |
67 |
|
株式会社竹中工務店 |
32時間 |
64% |
68 |
|
株式会社大林組 |
33時間 |
64% |
69 |
|
清水建設株式会社 |
34時間 |
64% |
70 |
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鹿島建設株式会社 |
35時間 |
64% |
71 |
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株式会社LIXIL |
36時間 |
64% |
72 |
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YKK AP株式会社 |
37時間 |
64% |
73 |
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凸版印刷株式会社 |
38時間 |
64% |
74 |
出典:OpenWork(2025年12月時点のデータに基づく)
激務度は「残業時間+(100−有休消化率)」で算出。
※小数点は四捨五入。データは回答者の平均値であり、部署や時期により変動する可能性があります。
隠れホワイト企業の紹介
ここからは、ランキングに掲載した企業を1社ずつ詳しく紹介します。各社の事業内容、データが示す働き方の実態について掘り下げていくので参考にしてください。
東洋水産株式会社
【概要】
「マルちゃん」ブランドで知られる食品メーカー。即席麺、冷凍食品、水産加工品など幅広い食品を提供しており、安定した内需と強力なブランド力を持つ製造業の側面が強い企業です。
【データ】
残業時間:15h、有休消化率:88%、激務度:27
【評判】
残業時間が非常に少なく、有休消化率は業界でもトップクラスの高さです。食品という安定した生活基盤を担う事業特性もあり、社風は穏やかで落ち着いています。コンプライアンス意識も高く、制度が形骸化しにくい環境であるとの評価が多いです。
【まとめ】 安定した事業基盤と極めて低い激務度を誇り、ワークライフバランスを最優先する人にとって理想的な隠れホワイト企業といえるでしょう。
株式会社キーエンス
【概要】
センサー、測定器などのFA(ファクトリーオートメーション)用機器を開発・販売するメーカー。BtoB領域でニッチトップの地位を確立し、世界的な高収益企業として知られています。
【データ】
残業時間:18h、有休消化率:80%、激務度:38
【評判
以前は激務のイメージもありましたが、現在は残業時間が大幅に削減され、生産性の高い働き方が徹底されています。有休消化率も高く、制度の運用が厳格です。高い成果が求められる環境ですが、その分、業界トップクラスの給与水準と、メリハリのついた働き方を両立しています。
【まとめ】
高い給与と高い生産性を実現しつつ、労働時間管理も徹底された、高待遇・高効率型の隠れホワイト企業と評価できます。
株式会社小松製作所(コマツ)
【概要】
建設機械、鉱山機械で世界的なシェアを持つグローバルメーカー。ICT(情報通信技術)を活用した建設現場のスマート化にも積極的です。
【データ】
残業時間:20h、有休消化率:80%、激務度:40
【評判】
日本のモノづくりを支える大手企業でありながら、残業時間が少なく、有休消化率も非常に高い水準です。労働組合が強く、働き方に関する制度が整備されていることが大きな要因です。安定した事業基盤と、落ち着いた社風が魅力です。
【まとめ】
グローバルに活躍する大手メーカーでありながら、働き方改革が浸透し、安定感のある労働環境が整備された隠れホワイト企業といえるでしょう。
株式会社堀場製作所
【概要】
医療用、環境用、自動車用など、様々な分野の分析・計測機器を製造するメーカー。ニッチな分析計測の分野で世界的に高いシェアを持っています。
【データ】
残業時間:22h、有休消化率:80%、激務度:42
【評判】
独自の「おもしろおかしく」という社是のもと、自由な発想を重視する文化があります。有休消化率が高く、研究開発職であってもメリハリのある働き方が推奨されています。
【まとめ】
技術志向の企業文化を持ちながら、高い有休消化率を維持し、社員の自主性を尊重する隠れホワイト企業と評価できます。
大王製紙株式会社
【概要】
「エリエール」ブランドで知られる大手製紙メーカー。家庭紙から産業用紙まで幅広く展開しています。
【データ】
残業時間:23h、有休消化率:78%、激務度:45
【評判】
製造業という安定した基盤を持ち、社風は穏やかで落ち着いています。残業時間は少なく、有休取得も計画的に行われています。製紙業界特有の景気変動に左右されにくい安定性が、働きやすさに繋がっています。
【まとめ】
安定した生活必需品分野で事業を展開し、穏やかな社風と良好なワークライフバランスを兼ね備えた隠れホワイト企業と判断できます。
株式会社村田製作所
【概要】
電子部品の世界的な大手メーカー。スマートフォンや自動車などに使われるコンデンサなどで高いシェアを持ちます。BtoB領域の技術力の高さで知られています。
【データ】
残業時間:25h、有休消化率:80%、激務度:45
【評判】
技術力の高さと安定した収益基盤が特徴です。特に有休消化率は8割と非常に高く、技術開発職でもしっかりと休みが取れていることがうかがえます。ワークライフバランスを重視する社風が根付いています。
【まとめ】
世界的なニッチトップメーカーでありながら、高い有休消化率により社員の休息を確保している優良な隠れホワイト企業といえるでしょう。
積水化学工業株式会社
【概要】
住宅、社会インフラ、高機能プラスチックスなど多岐にわたる分野で事業を展開する化学メーカー。特に住宅事業では高い知名度を持っています。
【データ】
残業時間:25h、有休消化率:76%、激務度:49
【評判】
化学メーカー特有の堅実で安定した社風が特徴です。残業時間は少なく抑えられており、有休消化率も高水準です。長期的な視点でキャリア形成ができる環境です。
【まとめ】
安定した化学メーカーとしての基盤と、良好なワークライフバランスを両立している隠れホワイト企業と判断できます。
三菱重工業株式会社
【概要】
総合重工業メーカー。エネルギー、インフラ、航空宇宙、機械システムなど多岐にわたる事業を展開しています。
【データ】
残業時間:24h、有休消化率:75%、激務度:49
【評判】
大手重厚長大企業ですが、近年は全社的に働き方改革を進めており、残業抑制の意識が高まっています。有休消化率も比較的良好で、特に育児や介護に関する制度が充実しています。
【まとめ】
巨大企業ながら働き方改革が進んでおり、安定感と充実した制度を持つ隠れホワイト企業と評価できます。
ダイキン工業株式会社
【概要】
世界的な空調機器メーカー。家庭用から業務用まで幅広く展開し、特に海外でのシェアが高いです。
【データ】
残業時間:26h、有休消化率:76%、激務度:50
【評判】
グローバル企業としての成長性と、メーカーとしての安定性を兼ね備えています。全社的に残業抑制の意識が高く、有休も取りやすい環境です。
【まとめ】
世界的な成長を続けながら、社員の働きやすさも重視する、バランスの取れた隠れホワイト企業と評価できます。
オリンパス株式会社
【概要】
医療機器(特に消化器内視鏡)で世界トップシェアを誇るメーカー。近年は医療分野に特化する戦略をとっています。
【データ】
残業時間:27h、有休消化率:77%、激務度:50
【評判】
医療という安定した成長分野に特化しており、事業の安定性が高いです。有休消化率も高く、研究開発職であっても計画的な休みが取れる環境です。
【まとめ】
専門性の高い医療機器分野で、安定性と良好なワークライフバランスを実現している隠れホワイト企業といえるでしょう。
日本特殊陶業株式会社
【概要】
スパークプラグや各種センサーなどを製造するメーカー。自動車産業を中心に、高い技術力とグローバルなネットワークを持っています。
【データ】
残業時間:28h、有休消化率:77%、激務度:51
【評判】
安定した基盤を持つメーカーであり、コンプライアンス意識が高いです。残業時間は平均的ですが、有休消化率が高く、福利厚生も充実しています。
【まとめ】
自動車産業を支える技術力と、社員の健康的な働き方を両立させている隠れホワイト企業と判断できます。
株式会社マキタ
【概要】
電動工具の専業メーカーとして世界的な地位を確立しています。プロ向けからDIY向けまで幅広い製品を展開しています。
【データ】
残業時間:26h、有休消化率:74%、激務度:52
【評判】
グローバルな事業展開をしていますが、日本の製造業としての堅実な社風といえます。残業時間は少なく、有休取得も比較的容易な環境です。
【まとめ 】
世界的な製品競争力を持ちながら、社員のワークライフバランスを重視する安定感のある隠れホワイト企業と評価できます。
株式会社クボタ
【概要】
農業機械、建設機械、エンジンなどを製造する総合機械メーカー。特にトラクターなどの農業機械で高いシェアを誇ります。
【データ】
残業時間:27h、有休消化率:74%、激務度:53
【評判】
食料・水・環境という社会の根幹を支える事業のため、安定性が高いです。労働組合が強く、労働環境の維持・改善に積極的です。
【まとめ】
社会貢献性の高い事業と、労働組合による手厚い労働環境のサポートがある隠れホワイト企業といえるでしょう。
株式会社神戸製鋼所
【概要】
鉄鋼、アルミ・銅、機械、電力など幅広い事業を展開する総合メーカー。素材から機械まで一貫して手掛ける点が特徴です。
【データ】
残業時間:28h、有休消化率:74%、激務度:54
【評判】
重厚長大産業の企業としては残業時間が抑えられており、有休消化率も平均以上です。安定した事業基盤と、歴史ある企業ならではの落ち着いた社風があります。
【まとめ】
巨大な事業体を持ちながら、社員の労働時間管理に注力している隠れホワイト企業と判断できます。
株式会社荏原製作所
【概要】
ポンプ、コンプレッサー、タービンなどの流体機械や、半導体製造装置などを製造するメーカー。インフラ分野が強みです。
【データ】
残業時間:29h、有休消化率:74%、激務度:55
【評判】
インフラを支えるメーカーとして安定した事業運営をしており、過度な激務は発生しにくい環境です。有休消化率も高く、計画的な休暇取得が可能です。
【まとめ】
社会インフラを支える安定した事業基盤と、社員の休息を確保する文化が浸透している隠れホワイト企業と評価できます。
HOYA株式会社
【概要】
眼鏡レンズ、コンタクトレンズ、医療用内視鏡、IT分野の光学機器などを製造するメーカー。多角的なグローバル展開をしています。
【データ】
残業時間:30h、有休消化率:74%、激務度:56
【評判】
グローバル企業ですが、残業規制が厳しく運用されています。成果主義的な側面はありますが、有休消化率が高く、ワークライフバランスを自分でコントロールしやすい環境です。
【まとめ】
グローバルな高収益企業でありながら、厳格な残業規制と有休取得奨励により働きやすさを実現している隠れホワイト企業といえるでしょう。
日本精工株式会社(NSK)
【概要】
ベアリング(軸受)の世界的な大手メーカー。自動車や産業機械など、あらゆる機械の回転を支える製品を提供しています。
【データ】
残業時間:31h、有休消化率:74%、激務度:57
【評判】
モノづくりを支える堅実な社風を持ち、安定した事業基盤があります。残業時間は平均的ですが、有休消化率が高く、制度面での手厚さも評価されています。
【まとめ】
産業の根幹を支える技術を持ち、堅実な経営によって社員の安定した働き方を実現している隠れホワイト企業と判断できます。
川崎重工業株式会社
【概要】
航空機、鉄道車両、船舶、ガスタービンなど幅広い製品を手掛ける総合重工業メーカー。
【データ】
残業時間:32h、有休消化率:74%、激務度:58
【評判】
重工業メーカーとして安定性が高く、労働組合が強力です。これにより、労働環境や福利厚生が手厚く整備されています。有休消化も積極的に推奨されています。
【まとめ】
巨大メーカーならではの安定感と、組合による労働環境の保護が特徴の隠れホワイト企業と評価できます。
株式会社IHI
【概要】
航空エンジン、エネルギー、社会インフラ、産業機械など、高度な技術を要する事業を展開する重工業メーカー。
【データ】
残業時間:33h、有休消化率:74%、激務度:59
【評判】
国のインフラを支えるプロジェクトが多く、やりがいと安定性を両立できる環境です。残業時間は平均的ですが、有休消化率が高く、制度の運用がしっかりしています。
【まとめ】
社会性の高い事業を展開し、大企業としての安定した制度運用によって働きやすさを確保している隠れホワイト企業といえるでしょう。
AGC株式会社
【概要】
ガラス、化学品、セラミックスなど幅広い素材を提供するグローバルメーカー。旧社名は旭硝子。
【データ】
残業時間:30h、有休消化率:70%、激務度:60
【評判】
素材メーカー特有の堅実な社風があり、過度な競争はありません。残業時間は平均的ですが、有休消化率が7割と高く、安定した働き方が可能です。
【まとめ】
グローバルな素材メーカーとしての安定基盤と、ワークライフバランスを重視する社風が魅力の隠れホワイト企業と判断できます。
株式会社リコー
【概要】複合機などのOA機器や、産業用プリンティング、光学機器などを展開する企業。近年はデジタルサービスにも注力しています。
【データ】
残業時間:31h、有休消化率:70%、激務度:61
【評判】
大手企業として福利厚生が充実しており、多様な働き方を支援する制度が整備されています。残業時間は平均的で、コンプライアンス意識が高いです。
【まとめ 】
安定した事業基盤と、大企業ならではの手厚い制度により、安心して働けるホワイト企業と評価できます。
日本ガイシ株式会社
【概要】 電力、電子、産業システム分野でセラミックス技術を応用した製品を製造するメーカー。
【データ】
残業時間:32h、有休消化率:70%、激務度:62
【評判】
技術力の高さが特徴で、安定したBtoB取引が主体の企業です。有休消化率が7割と高く、社員の健康を重視する文化があります。
【まとめ】
専門性の高い技術を持ち、安定した事業運営と良好なワークライフバランスを両立している隠れホワイト企業といえるでしょう。
富士電機株式会社
【概要】
パワーエレクトロニクス技術を核に、エネルギー、産業インフラ、社会インフラ分野で事業を展開する総合電機メーカー。
【データ】
残業時間:33h、有休消化率:70%、激務度:63
【評判】
社会インフラを支える企業として安定性が非常に高いです。残業時間は平均的ですが、有休消化率が高く、制度の運用がしっかりしています。
【まとめ】
社会性の高い事業と、社員の働きやすさに対する配慮が見られる隠れホワイト企業と評価できます。
日本板硝子株式会社
【概要】
建築用ガラス、自動車用ガラス、高機能ガラスなどを製造するグローバルメーカー。
【データ】
残業時間:34h、有休消化率:70%、激務度:64
【評判】
グローバル展開している素材メーカーでありながら、穏やかな社風を持ちます。残業時間は平均的ですが、有休取得はしやすい環境です。
【まとめ】
グローバルに活躍する素材メーカーでありながら、落ち着いた環境で働ける隠れホワイト企業と判断できます。
住友電気工業株式会社
【概要】
電線・ケーブルを主軸に、情報通信、自動車、エレクトロニクスなど幅広い分野で事業を展開するメーカーです。
【データ】
残業時間:35h、有休消化率:70%、激務度:65
【評判】
住友グループの一員として安定性が非常に高く、コンプライアンス意識も高いです。残業時間は平均的ですが、有休消化率は良好です。
【まとめ】
大手グループの安定した基盤と、制度に基づいた適切な労働環境が整っているホワイト企業と評価できます。
東芝エレベータ株式会社
【概要】
エレベーター・エスカレーターの開発、製造、販売、据付、保守サービスを一貫して手掛ける企業。
【データ】
残業時間:30h、有休消化率:63%、激務度:67
【評判】
インフラを支える事業のため安定しており、残業時間管理が比較的厳格です。ただし、現場職は緊急対応などで負荷がかかることがあります。
【まとめ】
インフラ事業の安定性と、本社機能の厳格な労働時間管理が魅力の隠れホワイト企業と判断できます。
株式会社竹中工務店
【概要】
日本の主要な総合建設会社(スーパーゼネコン)の一つ。設計・施工を一貫して行うのが特徴です。
【データ】
残業時間:32h、有休消化率:64%、激務度:68
【評判】
建設業界全体で働き方改革が進む中、大手としてコンプライアンスに基づいた労働環境を整備しています。有休消化率も平均以上です。
【まとめ】
建設業界大手として、業界全体の慣習に縛られず、労働環境の改善に積極的なホワイト企業と評価できます。
株式会社大林組
【概要】
日本の主要な総合建設会社(スーパーゼネコン)の一つ。大規模プロジェクトに多数携わっています。
【データ】
残業時間:33h、有休消化率:64%、激務度:69
【評判】
建設業界ですが、残業抑制の取り組みが積極的に行われています。有休消化率も良好で、現場職と本社職で差はあるものの、全社的に改善傾向にあります。
【まとめ】
建設業界大手としての安定した地位と、全社的な労働環境改善への取り組みが見られるホワイト企業といえるでしょう。
清水建設株式会社
【概要】
日本の主要な総合建設会社(スーパーゼネコン)の一つ。歴史と技術力に定評があります。
【データ】
残業時間:34h、有休消化率:64%、激務度:70
【評判】
大手企業として福利厚生が手厚く、制度は整っています。残業時間は平均的ですが、コンプライアンス意識が高く、サービス残業の心配は少ないです。
【まとめ】
伝統と安定性を持つ大手建設会社であり、充実した制度面で社員の働きやすさを支えているホワイト企業と判断できます。
鹿島建設株式会社
【概要】
日本の主要な総合建設会社(スーパーゼネコン)の一つ。高い技術力で知られています。
【データ】
残業時間:35h、有休消化率:64%、激務度:71
【評判】
建設業界特有の負荷はありますが、IT化による生産性向上に力を入れています。有休消化率も平均的であり、大手としての安定感は抜群です。
【まとめ】
技術革新と安定性を両立させ、社員の労働環境改善に取り組んでいる隠れホワイト企業と評価できます。
株式会社LIXIL
【概要】
トイレ、バスルーム、キッチンなどの住宅設備機器を製造・販売する大手メーカー。
【データ】
残業時間:36h、有休消化率:64%、激務度:72
【評判】
大手メーカーとして福利厚生が充実しており、特に育児や介護に関する制度が整備されています。残業時間は平均的ですが、制度の利用はしやすい環境です。
【まとめ】
生活に密着した安定事業と、充実した福利厚生制度により社員のワークライフバランスを支援しているホワイト企業といえるでしょう。
YKK AP株式会社
【概要】
窓やドアなどの建材(サッシ)を製造するメーカー。建材分野で高いシェアを持ちます。
【データ】
残業時間:37h、有休消化率:64%、激務度:73
【評判】
「善の巡環」という経営理念のもと、社員の生活を大切にする社風があります。残業時間は平均的ですが、有休消化率が高く、安定感があります。
【まとめ】
独自の経営理念に基づき、社員の働きやすさと事業の安定を両立させている隠れホワイト企業と評価できます。
凸版印刷株式会社
【概要】
印刷技術をコアに、情報・エレクトロニクス、生活・産業分野など多角的に事業を展開する大手企業。
【データ】
残業時間:38h、有休消化率:64%、激務度:74
【評判】
伝統的な大企業ですが、近年は働き方改革を推進しており、特に有休取得を奨励しています。残業時間は平均的ですが、安定した環境で働けることが魅力です。
【まとめ】
伝統と安定性を持ちながら、時代に合わせて働き方改革を進めている、堅実なホワイト企業と判断できます。
隠れホワイト企業で本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要!
上記のデータはあくまで全社平均や口コミサイトの情報に基づいた客観指標であり、あなたが働くことになる特定の部署やプロジェクトの状況を直接反映しているわけではありません。
「隠れホワイト企業」の多くはBtoBメーカーやニッチ産業の企業であり、職種によって働き方に大きな差が出ることがあります。例えば、「研究開発部門」は比較的残業が少ない一方、「海外営業部門」は時差の関係で夜間の業務が発生する可能性があります。データだけで安心せず、「入社後に自分がどのような働き方をすることになるのか」を具体的に想像できるまで、入念な調査を行うことが非常に重要です。
ホワイト企業か判断する方法1:関係者に聞く
企業の内部情報を得る最も確実で具体的な方法は、「その企業で働く、または過去に働いていた人に直接聞く」ことです。
口コミサイトでは不特定多数の意見が混ざり合ってしまうため、部署や職種ごとの具体的な実態が見えにくいことがあります。関係者に直接ヒアリングできれば、以下のような、より深い情報を得ることができます。
職種ごとの残業実態:「営業職は顧客対応で残業が多いが、バックオフィスは定時帰りが多い」など、職種による業務負荷の差。
制度の利用実態:「フレックス制度はあるが、コアタイムが長く実質使えない」「上司の承認を得るのに時間がかかる」など、制度が形骸化していないか。
マネジメントの意識:「上司が積極的に有休を取るように促してくれるか」「非効率な会議が多いか」など、現場の管理体制。
もし知り合いに該当者がいなくとも、転職エージェントのコネクションや、SNSのコミュニティを通じて、OB・OG訪問の機会を探ってみる価値は十分にあります。
ホワイト企業か判断する方法2:全ての口コミサイトを入念にチェック
OpenWorkをはじめとする口コミサイトは非常に有用なツールですが、一つのサイトの情報だけを鵜呑みにするのは危険です。サイトごとにユーザー層や集まる情報の傾向が異なるため、複数の口コミサイトを横断的にチェックすることで、より立体的な実態を把握できます。
具体的には、以下の点に注目して情報を統合的に分析することをおすすめします。
ネガティブな口コミの共通点:どのサイトを見ても同じネガティブな意見(例:「年功序列が強い」「新しいことに挑戦しにくい」など)が複数見られる場合は、それが企業の構造的な問題である可能性が高いです。
投稿時期の確認:直近1年以内の口コミがどうなっているかを確認しましょう。企業が働き方改革を推進している場合、数年前のネガティブな情報がすでに改善されている可能性があります。
職種別の評価の傾向:研究開発、営業、生産技術など、あなたの希望職種に絞って評価を比較することで、職種固有の激務度や満足度が見えてきます。
転職エージェントをフル活用する
大手エージェントや業界特化型のエージェントは、企業の採用担当者や現場の社員と頻繁にコミュニケーションを取っているため、最新かつ非公開の「生の情報」を保有しているケースが多いです。
エージェントは、単なる求人紹介だけでなく、部署単位のリアルな情報や各社ならではのデータの裏付け、企業で設けられている制度がきちんと運用されているかなども知ることができます。
例えば、残業20時間以下、有休消化率80%以上など、自分が働く条件を具体的に伝え、それに合致する企業の具体的な内部事情を徹底的に質問することで、ミスマッチを防ぐための強力なサポートが得られるでしょう。
隠れホワイト企業特有の「安定と変化」のバランスを理解する
隠れホワイト企業とされるBtoBメーカーやニッチトップ企業は、一般的に「安定性」が高いことが最大の魅力です。しかし、安定性が高すぎるゆえに、「変化への対応が遅い」「新しいチャレンジがしにくい」という側面を持つこともあります。
ホワイト企業かどうかを判断する際には、単なる残業時間だけでなく、「その企業が今後も安定してホワイトであり続けるための努力をしているか」という視点も重要です。例えば、積極的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しているか、新しい成長分野への投資を行っているか、などを確認しましょう。
安定した働きやすさを享受しつつも、将来性のあるキャリアを築くためには、「安定」と「変化への意欲」のバランスが取れている企業を選ぶことが重要となります。
「隠れホワイト企業」を見つけるためには、OpenWorkの客観的なデータ(残業時間と有休消化率)と、その企業の「事業の安定性」、そして関係者から得られる「部署ごとの実態」という体感的な情報を、多角的に判断することが重要です。



