この記事では、飲食店のホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間(1か月)」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました。
激務度は残業時間(時間)+(100-有休消化率(%)) で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」=ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例:残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度=20+(100-70)=50(ポイント)となります。
【一覧表】飲食店ホワイト企業ランキング
全国の飲食店業界(外食・フードサービス業界)を対象に、OpenWorkの最新データに基づき「激務度」を算出し、ホワイト度の高い順に並べた結果がこちらです。
| 企業名 | 残業時間 | 有休消化率 | 激務度 |
| 株式会社吉野家ホールディングス | 15.2 | 80.5 | 35 |
| 株式会社すかいらーくホールディングス | 18.0 | 78.0 | 40 |
| 株式会社王将フードサービス | 20.5 | 75.0 | 46 |
| 株式会社トリドールホールディングス | 23.0 | 72.5 | 51 |
| 株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス | 25.5 | 70.0 | 56 |
| 株式会社グルメ杵屋 | 28.0 | 68.0 | 60 |
| 株式会社サガミホールディングス | 30.0 | 65.0 | 65 |
| 株式会社コメダホールディングス | 22.0 | 55.0 | 67 |
| 株式会社サンマルクホールディングス | 25.0 | 52.0 | 73 |
| 株式会社モンテローザ | 36.0 | 60.0 | 76 |
出典:OpenWork(2025年12月調査時点の公開データより算出)
注意:本ランキングはあくまで公開データに基づき算出したものであり、企業の実際の状況を保証するものではありません。
飲食店ホワイト企業の紹介
激務度が低く、ホワイト度が高いと評価された企業について、個別の事業概要とOpenWorkの評判の傾向を詳しく解説します。ランキング順にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
株式会社吉野家ホールディングス
【概要】
牛丼チェーン「吉野家」を核に、国内外で多数の飲食ブランドを展開する大手フードサービス企業です。IT技術を活用した店舗オペレーションの効率化、社員の労働環境改善に積極的に取り組んでいます。
【データ】
残業時間:15.2時間/有休消化率:80.5%/激務度:35
【評判】
大手チェーンとして、サービス業特有の長時間労働を是正するために、労務管理が非常に厳格です。OpenWorkでは、「本部からの残業規制が厳しく、サービス残業は発生しにくい」「有休消化も高い水準で推進されている」との声が多く、ワークライフバランスが保ちやすいと評価されています。
【まとめ】
フードサービスの効率化と、厳格なコンプライアンス体制が、飲食業界トップクラスのホワイト度を実現しています。
株式会社すかいらーくホールディングス
【概要】
「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」など、ファミリーレストランを国内外で展開する最大手の外食企業です。AIを活用した需要予測や、調理工程の自動化・簡素化により、店舗スタッフの負荷軽減を推進しています。
【データ】
残業時間:18.0時間/有休消化率:78.0%/激務度:40
【評判】
近年、働き方改革の先進企業として知られており、残業抑制の施策が徹底されています。店舗スタッフからも「昔と比べて労働環境が劇的に改善された」「有休も申請しやすい雰囲気がある」とポジティブな声が多く、業界全体のイメージを塗り替える企業です。
【まとめ】
大規模な経営基盤を活かし、技術と制度の両面から働きやすさを実現している、代表的なホワイト企業です。
株式会社王将フードサービス
【概要】
「餃子の王将」を全国展開する中華料理チェーンです。調理は手作りにこだわる一方で、社員の定着率向上に向けた労働環境の改善にも力を入れており、調理スキルと働きやすさの両方を追求できます。
【データ】
残業時間:20.5時間/有休消化率:75.0%/激務度:46
【評判】
大手チェーンとして労務管理が徹底されており、残業代の全額支給や、長時間労働の抑制が図られています。料理人としての技術を活かしつつ、「休みが取れない」という飲食店の一般的なイメージが薄いと評価されています。
【まとめ】
高い調理スキルを要求される業態でありながら、企業努力により従業員の働きやすさを確保している企業です。
株式会社トリドールホールディングス
【概要】
「丸亀製麺」を主力に、麺類、カフェ、居酒屋など多角的なブランドを国内外で展開しています。ライブ感のある調理スタイルと、グローバル展開に積極的な成長企業です。
【データ】
残業時間:23.0時間/有休消化率:72.5%/激務度:51
【評判】
企業成長に伴い、労働環境の整備も急速に進んでいます。残業時間は業界平均より低く抑えられ、有休消化も積極的に推奨されています。特に若手社員からは、成長機会とワークライフバランスのバランスが良いとの評価が得られています。
【まとめ】
成長著しい企業でキャリアを積みたい意欲的な方に、整った労働環境を提供している企業です。
株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス
【概要】
商業施設内を中心に、多様なコンセプトのレストランを運営しています。ブランド数が多く、調理師やホールスタッフは様々な業態を経験できます。
【データ】
残業時間:25.5時間/有休消化率:70.0%/激務度:56
【評判】
商業施設内の店舗は営業時間が固定されているため、過度な深夜労働が発生しにくく、安定した勤務時間になりやすいのが特徴です。残業・有休消化ともに安定した水準で、飲食業界の中では働きやすい環境です。
【まとめ】
多様な飲食ブランドで経験を積みながら、商業施設の営業時間という制限を活かした働きやすさが魅力です。
株式会社グルメ杵屋
【概要】
「杵屋」「そじ坊」など、うどん・そばを中心とした和食レストランを全国展開しています。手作りにこだわる店舗運営をしながら、労働環境の改善にも取り組んでいます。
【データ】
残業時間:28.0時間/有休消化率:68.0%/激務度:60
【評判】
伝統的な和食業態でありながら、過度な長時間労働は抑制されています。残業代は適切に支払われ、有休消化率も比較的高い水準です。落ち着いた客層が多く、安定した店舗運営が可能です。
【まとめ】
伝統的な調理スキルを活かしつつ、安定した経営基盤と働きやすさを求める方に適した企業です。
株式会社サガミホールディングス
【概要】
「和食麺処サガミ」など、和食レストランを中心に展開しています。郊外型店舗が多く、地域に根差した経営を特徴としています。
【データ】
残業時間:30.0時間/有休消化率:65.0%/激務度:65
【評判】
地域密着型の店舗運営で、急激な繁忙期が少ない傾向にあります。残業時間は中程度ですが、労務管理体制は整備されており、有休も取得しやすい雰囲気があります。家族経営の店と比較して、制度面が優れています。
【まとめ】
地域に貢献する和食店での勤務に魅力を感じつつ、制度の安定性を求める方に適しています。
株式会社コメダホールディングス
【概要】
「コメダ珈琲店」を全国展開する喫茶店チェーンです。独自のビジネスモデルにより、顧客満足度と従業員満足度の両立を目指しています。
【データ】
残業時間:22.0時間/有休消化率:55.0%/激務度:67
【評判】
残業時間は比較的少ないと評価されていますが、有休消化率は中程度に留まっています。早朝から夕方の営業が中心であるため、深夜労働は少ないです。安定した労働時間で働きたい方に向いています。
【まとめ】
深夜営業がない喫茶店業態であるため、残業の少なさが魅力ですが、有休取得状況は入念な確認が必要です。
株式会社サンマルクホールディングス
【概要】
「サンマルクカフェ」「BAQET」など、カフェやベーカリーレストランを運営する企業です。パンやスイーツの製造・販売に強みを持っています。
【データ】
残業時間:25.0時間/有休消化率:52.0 | 激務度:73
【評判】
残業時間は中程度ですが、有休消化率がやや低い傾向にあります。特にベーカリー製造部門などでは、仕込みや製造で早朝からの勤務や残業が発生しやすいです。
【まとめ】
カフェ・ベーカリーという人気の業態で働けますが、有休消化率はまだ改善の余地があるため、激務度は中程度です。
株式会社モンテローザ
【概要】
「白木屋」「魚民」など、居酒屋チェーンを主力に全国展開する大手企業です。近年、働き方改革に注力し、労働環境の改善に取り組んでいます。
【データ】
残業時間:36.0時間/有休消化率:60.0 | 激務度:76
【評判】
居酒屋業態の特性上、深夜までの勤務や、閉店後の業務で残業が発生しやすいです。しかし、全社的な残業抑制策により、以前と比較して環境は改善傾向にあります。有休消化率は中程度です。
【まとめ】
居酒屋チェーンのダイナミックな環境で働きたい一方で、企業としての労働管理体制も重視する方に向いています。
飲食店業界で本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要!
飲食店業界は、「客の入り」と「店舗人員の充足度」という、予測不能な要素に左右されるため、労働時間が非常に不安定になりやすい特性があります。ランチ・ディナータイムのピーク時の対応、週末の繁忙、そして閉店後の業務など、業務が多岐にわたるため、残業時間が発生しやすいのは事実です。
本ランキングで激務度が低いと判断された企業は、主に大手チェーン系であり、セントラルキッチンや調理システムの効率化、そして親会社のガバナンスを背景に、労働環境の整備が進んでいる傾向が見られます。
そのため、データだけで判断するのではなく、入念な追加調査を行い、「自分が希望する業態」と「配属される店舗」のリアルな働き方を確認することが極めて重要です。
ホワイト企業か判断する方法1:関係者に聞く
企業の採用情報や表面的なデータだけではわからない、現場のリアルな情報を得るには、実際にその企業や業界で働いている人、または働いていた人に直接話を聞くのが最も確実です。業界の知人や、調理師・ホール専門のネットワークを通じてOB・OG訪問を依頼する。「希望休の取得しやすさ」「社員とアルバイトの役割分担の実態」「サービス残業の有無」など、具体的な労働実態に関するエピソードを聞き出すことが重要です。
ホワイト企業か判断する方法2:全ての口コミサイトを入念にチェック
OpenWorkのような口コミサイトは、情報の宝庫です。ただし、一つの口コミを鵜呑みにするのは危険です。
重要なのは、複数の口コミを読み込み、「傾向」を掴むことです。「成長できるが激務」「部署による差が大きい」「制度は整っているが、現場では使いにくい雰囲気がある」など、多くの人が共通して指摘している点に注目しましょう。また、良い口コミと悪い口コミの両方に目を通し、自分にとって何が許容できて、何が許容できないのかを判断する基準にすることが大切です。
転職エージェントをフル活用する
飲食業界に特化した転職エージェント、あるいはフードサービス業界に強い担当者を見つけることは、ホワイト企業探しにおいて非常に有効な手段です。転職活動を進めるなら、転職エージェントの活用は欠かせません。特に、業界に特化したエージェントは、企業の内部情報に精通しています。
彼らは、求人票には書かれない「社内の雰囲気」「チームの人間関係」「そのポジションが募集されている背景(退職者の補充なのか、事業拡大による増員なのか)」といった貴重な情報を持っていることがあります。自分の希望する働き方(残業は月20時間以内に抑えたい、など)や「ファミリーレストラン業態を希望」といった業態に関する条件を正直に伝えることで、その条件に合った企業を紹介してもらえる可能性が高まります。
エージェントは、企業の人事と密接に連絡を取り合っているため、企業の採用背景、店舗ごとの雰囲気、労働時間の具体的な傾向、そして非公開求人など、個人では得られない情報を持っています。
飲食店の「やりがい」と「生活」の調和を目指す
飲食店という仕事は、顧客の反応をダイレクトに感じられる、非常にやりがいのある仕事です。しかし、その情熱が過度な労働を招いてしまうケースも存在します。
今回ご紹介したランキングは、客観的なデータに基づき、その激務度を明確にするためのものです。「データ」「現場の声」「エージェント情報」の3つの視点から企業を徹底的に調査することで、やりがいと働きやすさを両立できる最適な「ホワイト企業」を見つけてください。



