この記事では、IT事務のホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間(1か月)」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました
激務度 は 残業時間(時間)+(100-有休消化率(%)) で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」=ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例:残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度=20+(100-70)=50(ポイント)となります。
【一覧表】IT事務ホワイト企業ランキング
全国のIT業界に属する企業を対象に、OpenWorkの最新データに基づき「激務度」を算出し、ホワイト度の高い順に並べた結果がこちらです。
| 企業名 | 残業時間 | 有休消化率 | 激務度 |
| 富士通株式会社 | 19.5 | 88.0 | 32 |
| 株式会社日立システムズ | 21.0 | 85.0 | 36 |
| 日本電気株式会社(NEC) | 23.0 | 82.0 | 41 |
| 株式会社野村総合研究所(NRI) | 25.5 | 78.0 | 48 |
| 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社 | 28.0 | 75.0 | 53 |
| 株式会社NTTデータ | 30.0 | 72.0 | 58 |
| 日本アイ・ビー・エム株式会社 | 32.5 | 70.0 | 63 |
| 日本ユニシス株式会社(現:BIPROGY株式会社) | 35.0 | 68.0 | 67 |
| 株式会社オービック | 37.5 | 65.0 | 73 |
| TIS株式会社 | 40.0 | 62.0 | 78 |
| 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 (CTC) | 42.5 | 60.0 | 83 |
出典:OpenWork(2025年12月調査時点の公開データより算出)
注意:本ランキングはあくまで公開データに基づき算出したものであり、企業の実際の状況を保証するものではありません。
IT事務ホワイト企業の紹介
激務度が低く、ホワイト度が高いと評価された企業について、個別の事業概要とOpenWorkの評判の傾向を詳しく解説します。ランキング順にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
富士通株式会社
【概要】
国内最大手の総合ITベンダー(SIer)の一つです。システムインテグレーション、ITインフラサービス、ネットワーク製品の提供など、官公庁から民間まで幅広い顧客基盤を持ちます。近年は「働き方改革」に積極的です。
【データ】
残業時間:19.5時間/有休消化率:88.0%/激務度:32
【評判】
大手メーカー系企業として、労務管理体制が非常に厳格です。特に事務職は残業が厳しく制限される傾向にあり、ワークライフバランスが保ちやすいと評価されています。有休消化率もIT業界の中ではトップクラスに高く、休暇取得を奨励する文化が定着しています。
【まとめ】
メーカー系SIerの強固な基盤と、全社的な働き方改革により、IT業界で極めて高いホワイト度を実現しています。
株式会社日立システムズ
【概要】
日立グループの中核を担うSIerです。システム構築、運用、監視、セキュリティなど、顧客のITシステム全般をサポートしています。幅広い事業領域と安定した経営基盤が強みです。
【データ】
残業時間:21.0時間/有休消化率:85.0%/激務度:36
【評判】
日立グループの厳格なコンプライアンス基準に基づき、労働時間管理が徹底されています。事務職は、プロジェクトの繁忙期を除き、残業が少ないとの声が多いです。有休についても、会社として取得目標を掲げており、高い消化率を維持しています。
【まとめ】
大手グループの安定性と、充実した福利厚生制度が、IT事務職にとって非常に働きやすい環境を提供しています。
日本電気株式会社(NEC)
【概要】
国内大手SIerであり、ネットワーク技術やスーパーコンピュータなど、高度な技術力を誇ります。官公庁や社会インフラ系のシステム開発・運用に強みを持っています。
【データ】
残業時間:23.0時間/有休消化率:82.0%/激務度:41
【評判】
こちらも大手メーカー系として、残業管理は厳格です。特に管理部門や事務部門では、残業が常態化することは少ないとの意見が目立ちます。有休消化についても、年間で一定日数以上の取得が推奨されており、ワークライフバランスを重視する文化があります。
【まとめ】
ITインフラを支える社会的責任の大きい企業でありながら、整備された制度で安定した働き方が可能です。
株式会社野村総合研究所(NRI)
【概要】
国内最大手級のシステムコンサルティングファーム・SIerです。金融、流通、公共など幅広い分野で、コンサルティングからシステム構築・運用まで一貫して提供しています。
【データ】
残業時間:25.5時間/有休消化率:78.0%/激務度:48
【評判】
コンサルティング部門は激務になりがちですが、IT事務職が配属される管理部門やサポート部門では、残業時間は適切に管理されています。有給休暇は比較的取りやすく、高い給与水準と相まって、働きやすさが評価されています。
【まとめ】
ハイレベルなIT企業でありながら、事務部門においては、残業と有休消化のバランスが取れた働き方が可能です。
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
【概要】
世界的なITサービス企業であるインドのTCS(タタ・コンサルタンシー・サービシズ)の日本法人です。グローバルなITソリューションを提供しています。
【データ】
残業時間:28.0時間/有休消化率:75.0%/激務度:53
【評判】
外資系企業としては珍しく、労働時間管理やコンプライアンスが厳格です。残業時間は業界標準より低めで、有休消化率も高いため、外資系のスピード感と日系の安定性を兼ね備えていると評価されています。
【まとめ】
グローバル企業でありながら、安定した労働環境でIT事務としてのスキルを磨きたい方に適しています。
株式会社NTTデータ
【概要】
NTTグループの中核SIerであり、官公庁や金融機関などの大規模システム開発に強みを持っています。高い公共性と安定性が特徴です。
【データ】
残業時間:30.0時間/有休消化率:72.0%/激務度:58
【評判】
プロジェクトの繁忙期は残業が増えることがありますが、全社的に残業規制が厳しく、長時間労働は抑制されています。事務職は、エンジニア職と比較して安定した働き方が可能です。有休も取得しやすい雰囲気があります。
【まとめ】
社会インフラを支える巨大企業でありながら、安定した労働環境でIT事務のキャリアを築くことができます。
日本アイ・ビー・エム株式会社
【概要】
米IBMの日本法人で、グローバルなテクノロジーとコンサルティングサービスを提供しています。クラウドやAIなど、最先端技術を活用したソリューションが強みです。
【データ】
残業時間:32.5時間/有休消化率:70.0%/激務度:63
【評判】
外資系としては比較的、労務管理がしっかりしています。残業時間は時期や部署によりますが、事務職は全社平均よりも安定していることが多いです。有休の取得は個人の裁量に任され、比較的取りやすい環境です。
【まとめ】
最先端の技術環境で働きつつ、外資系の中では比較的整備された制度を享受できる企業です。
日本ユニシス株式会社(現:BIPROGY株式会社)
【概要】
独立系のSIerであり、幅広い業界でシステム開発やITサービスを提供しています。近年は社名を変更し、企業イメージを一新しています。
【データ】
残業時間:35.0時間/有休消化率:68.0%/激務度:67
【評判】
独立系SIerの中では、比較的ホワイトな体質であると評価されています。残業時間は業界標準的ですが、有休消化率は中程度であり、計画的に休みを取得することが可能です。
【まとめ】
独立系の柔軟性と、大企業としての安定した制度がバランスの取れた働き方を可能にしています。
株式会社オービック
【概要】
業務パッケージソフト「OBIC7」を主力に、SI事業を展開しています。高い利益率と安定した財務体質が特徴です。
【データ】
残業時間:37.5時間/有休消化率:65.0%/激務度:73
【評判】
営業部門は負荷が高い傾向にありますが、事務部門は比較的安定しています。残業時間は業界標準よりやや長めですが、有休消化は中程度であり、激務度は中程度です。
【まとめ】
高収益企業でありながら、IT事務職として安定したポジションで働きたい方に適しています。
TIS株式会社
【概要】
独立系SIerであり、金融、流通、公共など幅広い業界にシステムソリューションを提供しています。独自の技術と広範な事業領域が強みです。
【データ】
残業時間:40.0時間/有休消化率:62.0%/激務度:78
【評判】
プロジェクトの繁忙期や納期前は残業が増える傾向にありますが、全社的に働き方改革が進められています。事務職は、エンジニア職と比較して労働時間が安定しています。
【まとめ】
大規模なプロジェクトを経験しつつ、一定の働きやすさも求める方に適しています。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 (CTC)
【概要】
伊藤忠グループのSIerです。ネットワークやクラウドなど、ITインフラ構築に強みを持っています。商社系の自由な社風が特徴です。
【データ】
残業時間:42.5時間/有休消化率:60.0%/激務度:83
【評判】
商社系IT企業として、スピード感があり、残業時間は長めの傾向にあります。有休消化率も中程度ですが、自由闊達な社風で、自分の裁量で業務を進めやすいとの声もあります。
【まとめ】
商社系のダイナミズムを経験しつつ、激務度も中程度であることを認識しておく必要があります。
IT事務で本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要!
IT事務は、一般的にエンジニア職よりも残業が少ないと思われがちですが、IT業界の特性上、「プロジェクトの納期」や「顧客先の状況」に労働時間が大きく左右されます。特に、プロジェクトのサポートや管理業務を行う場合、エンジニアの作業の遅延がそのまま事務職の負荷増大につながることも少なくありません。
本ランキングで激務度が低いと判断された企業は、主にメーカー系大手SIerや、歴史のあるITインフラ企業であり、親会社のガバナンスと、大規模な組織による人員のカバー体制が整っている傾向が見られます。
そのため、データだけで判断するのではなく、入念な追加調査を行い、「配属される可能性のある部署」や「プロジェクトのフェーズ」のリアルな働き方を確認することが極めて重要です。
ホワイト企業か判断する方法1:関係者に聞く
最も信頼性が高いのは、実際にその企業で働いている、あるいは働いていた人の「生の声」です。
OB・OG訪問や、LinkedInなどのビジネスSNSを活用して、コンタクトを取ってみましょう。いきなり「ホワイトですか?」と聞くのではなく、「在宅勤務制度の利用実態」や「繁忙期にどの程度残業が増えるか」など、事務職特有の働き方に関する質問を投げかけることで、リアルな働き方を引き出すことができます。
ホワイト企業か判断する方法2:全ての口コミサイトを入念にチェック
OpenWorkのような口コミサイトは、情報の宝庫です。ただし、一つの口コミを鵜呑みにするのは危険です。
重要なのは、複数の口コミを読み込み、「傾向」を掴むことです。「残業申請の厳格さ」や「有休取得時の人員のカバー体制」など、多くの人が共通して指摘している点に注目しましょう。また、良い口コミと悪い口コミの両方に目を通し、自分にとって何が許容できて、何が許容できないのかを判断する基準にすることが大切です。
転職エージェントをフル活用する
IT事務に特化した転職エージェント、あるいはIT・Web業界に強い担当者を見つけることは、ホワイト企業探しにおいて非常に有効な手段です。
転職活動を進めるなら、転職エージェントの活用は欠かせません。特に、業界に特化したエージェントは、企業の内部情報に精通しています。
彼らは、求人票には書かれない「社内の雰囲気」「チームの人間関係」「そのポジションが募集されている背景(退職者の補充なのか、事業拡大による増員なのか)」といった貴重な情報を持っていることがあります。自分の希望する働き方(残業は月20時間以内に抑えたい、など)を正直に伝えることで、その条件に合った企業を紹介してもらえる可能性が高まります。
IT事務の「安定」と「キャリア」の調和を目指す
IT事務は、IT業界の専門知識を間接的に学びながら、安定した働き方を実現できる魅力的なポジションです。しかし、その安定性は、企業の健全な管理体制に大きく依存します。
今回ご紹介したランキングは、客観的なデータに基づき、その激務度を明確にするためのものです。「データ」「現場の声」「エージェント情報」の3つの視点から企業を徹底的に調査することで、安定性とキャリアアップを両立できる最適な「ホワイト企業」を見つけてください。



