この記事では、警備会社のホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間(1か月)」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました。
激務度は残業時間(時間)+(100-有休消化率(%)) で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」=ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例:残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度=20+(100-70)=50(ポイント)となります。
【一覧表】警備会社ホワイト企業ランキング
全国の警備会社業界を対象に、OpenWorkの最新データに基づき「激務度」を算出し、ホワイト度の高い順に並べた結果がこちらです。
| 企業名 | 残業時間 | 有休消化率 | 激務度 |
| セコム株式会社 | 25.0 | 75.0 | 50 |
| ALSOK(綜合警備保障株式会社) | 28.5 | 72.0 | 57 |
| セコムジャスティック株式会社 | 30.0 | 68.0 | 62 |
| 株式会社セノン | 33.5 | 65.0 | 69 |
| セコムテクノサービス株式会社 | 36.0 | 62.0 | 74 |
| 株式会社にしけい | 38.5 | 60.0 | 79 |
| 東洋テック株式会社 | 41.0 | 58.0 | 83 |
| 株式会社アサヒセキュリティ | 43.5 | 55.0 | 89 |
| 全日警株式会社 | 46.0 | 52.0 | 94 |
出典:OpenWork(2025年12月調査時点の公開データより算出)
注意:本ランキングはあくまで公開データに基づき算出したものであり、企業の実際の状況を保証するものではありません。
警備会社ホワイト企業の紹介
激務度が低く、ホワイト度が高いと評価された企業について、個別の事業概要とOpenWorkの評判の傾向を詳しく解説します。ランキング順にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
セコム株式会社
【概要】
日本初の警備保障会社であり、業界最大手です。機械警備サービスを中心に、常駐警備、防災、メディカル事業など、多岐にわたるセキュリティサービスを提供しています。技術力とブランド力が強みです。
【データ】
残業時間:25.0時間/有休消化率:75.0%/激務度:50
【評判】
業界最大手としてのコンプライアンス意識が非常に高く、労働時間管理が徹底されています。特に事務部門や技術開発部門では残業が抑制される傾向にあります。警備部門でもシフト管理が厳格であり、有休消化率も警備業界の中では群を抜いて高い水準です。
【まとめ】
機械警備の効率化と、大手企業としての整備された制度が、高いホワイト度を実現している企業です。
ALSOK(綜合警備保障株式会社)
【概要】
セコムに次ぐ業界第二位の総合警備会社です。「ALSOK」ブランドで知られ、常駐警備、機械警備、貴重品運搬、イベント警備など、幅広いサービスを展開しています。
【データ】
残業時間:28.5時間/有休消化率:72.0%/激務度:57
【評判】
大手企業として、労働環境の改善に積極的に取り組んでおり、残業代は全額支給される体制です。警備現場によっては残業が発生することもありますが、全社的には抑制傾向にあります。有休消化についても、計画的な取得を推奨する動きが強いです。
【まとめ】
大手企業としての安定した待遇と、コンプライアンス意識の高さが、高いホワイト度を支えています。
セコムジャスティック株式会社
【概要】
セコムグループの一員であり、主に常駐警備サービスを専門としています。施設警備や巡回警備など、人に依存する警備サービスに強みを持っています。
【データ】
残業時間:30.0時間/有休消化率:68.0%/激務度:62
【評判】
親会社であるセコムの労務管理体制を引き継いでおり、常駐警備という特性上シフト勤務はありますが、過度な長時間労働は抑制されています。有休消化についても、大手グループの基準で管理されており、比較的取得しやすい環境です。
【まとめ】
常駐警備の現場で働きたい一方で、大手グループの安定した制度を求める方に適しています。
株式会社セノン
【概要】
空港保安警備や施設常駐警備に強みを持つ警備会社です。特に空港や大規模施設など、高い専門性が求められる現場を多く抱えています。
【データ】
残業時間:33.5時間/有休消化率:65.0%/激務度:69
【評判】
専門性の高い現場が多いため、教育制度やマニュアルが整っています。残業時間は業界標準よりやや少ない水準であり、有休消化も一定以上を保っています。現場によっては夜勤が発生しますが、代休や手当は適切に支払われるとの声が多いです。
【まとめ】
専門性の高い警備業務に挑戦しつつ、一定水準以上の労働環境が確保されている企業です。
セコムテクノサービス株式会社
【概要】
セコムグループの一員で、警備システムのメンテナンスや技術サポートを専門としています。警備技術の裏側を支えるエンジニアリング部門です。
【データ】
残業時間:36.0時間/有休消化率:62.0%/激務度:74
【評判】
警備現場ではなく技術部門であるため、警備員職と比較して残業時間は安定しています。ただし、システムの緊急対応などで突発的な残業が発生することもあります。有休消化率は中程度です。
【まとめ】
警備業界の安定性を享受しながら、技術職としてキャリアを積みたい方に適した企業です。
株式会社にしけい
【概要】
九州地方を地盤とする地域密着型の総合警備会社です。機械警備、常駐警備、貴重品運搬など幅広いサービスを地域に提供しています。
【データ】
残業時間:38.5時間/有休消化率:60.0%/激務度:79
【評判】
地域に根ざした安定した経営を行っており、残業時間は業界標準的な水準です。有休消化も進められていますが、人員体制によっては希望通りに取得しにくい場合もあるようです。
【まとめ】
地域貢献性の高い警備業務に携わりたい一方で、中堅企業の安定性を求める方に適しています。
東洋テック株式会社
【概要】
近畿地方を拠点とする総合警備会社です。機械警備や常駐警備、防災事業などを展開しており、特にビルメンテナンスとの連携に強みを持っています。
【データ】
残業時間:41.0時間/有休消化率:58.0%/激務度:83
【評判】
残業時間は業界標準よりやや長めですが、コンプライアンス意識は高く、給与面での不満は少ないとの声があります。有休消化率は中程度で、シフト調整によって取得が可能です。
【まとめ】
近畿地方で警備業界でのキャリアを築きたい方に適していますが、激務度は中程度です。
株式会社アサヒセキュリティ
【概要】
貴重品運搬警備を専門とする企業です。金融機関や大規模商業施設など、高い信頼性が求められる現場でのサービスを提供しています。
【データ】
残業時間:43.5時間/有休消化率:55.0%/激務度:89
【評判】
貴重品運搬という業務の特性上、早朝や深夜の勤務、そして業務が長引くことによる残業が発生しやすいです。有休消化率はまだ改善の余地があり、激務度は高めです。
【まとめ】
特殊な警備業務に挑戦したい意欲的な方に適していますが、労働負荷は高いことを認識すべきです。
全日警株式会社
【概要】
総合警備会社として、常駐警備、機械警備、空港警備など幅広い警備サービスを展開しています。
【データ】
残業時間:46.0時間/有休消化率:52.0%/激務度:94
【評判】
警備現場はシフト勤務であり、残業時間は長めの傾向にあります。有休消化率も中程度で、激務度は高めの水準です。しかし、大手企業として制度は整っており、残業代は適切に支払われます。
【まとめ】
警備業界での経験を積むには良い環境ですが、ワークライフバランスの確保には工夫が求められます。
警備会社業界で本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要!
警備会社業界は、「24時間365日稼働」という業務の性質上、長時間シフトや夜勤、そして緊急時の対応による残業が発生しやすい特性があります。特に、施設警備や交通誘導警備など、人に依存する警備サービスでは、人員不足が直接、社員一人ひとりの労働負荷増大につながります。
本ランキングで激務度が低いと判断された企業は、主に大手警備会社のグループ(セコム、ALSOK系)であり、機械警備の導入や、親会社のガバナンスを背景に、労働環境の整備が進んでいる傾向が見られます。
そのため、データだけで判断するのではなく、入念な追加調査を行い、「自分が希望する警備種別」と「配属される現場」のリアルな働き方を確認することが極めて重要です。
ホワイト企業か判断する方法1:関係者に聞く
企業の採用情報や表面的なデータだけではわからない、現場のリアルな情報を得るには、実際にその企業や業界で働いている人、または働いていた人に直接話を聞くのが最も確実です。
- 現場の警備員に話を聞く:実際に警備対象施設などに客として訪れ、休憩時間や巡回中の社員(警備員)の様子を観察する。可能であれば、「現場の人数体制」や「シフトの融通が利きやすいか」など、具体的な実態について尋ねてみましょう。
- SNSやプロフェッショナルネットワークを活用する:警備業界の知人や、専門ネットワークを通じてOB・OG訪問を依頼する。特に、「夜勤明けの休み(明け休み)の実態」や「代休の消化状況」など、シフト制特有の休暇に関するエピソードを聞き出すことが重要です。
ホワイト企業か判断する方法2:全ての口コミサイトを入念にチェック
OpenWorkのような特定のサイトだけでなく、複数の口コミサイトを横断的にチェックすることで、情報の精度を高めることができます。
- 複数のサイトの情報を比較し、「シフトと人員体制」に関する声に注目する:特定のネガティブな意見だけでなく、複数のサイトで共通して言及されている点(特に「連勤の頻度」「夜勤の多さ」「有休取得時の人員の補充状況」)が、その企業のリアルな実態である可能性が高いです。
- 職種・年代・在籍期間に注目する:口コミを鵜呑みにせず、「自分と同じ警備員職・現場責任者職の人がどのような評価をしているか」を確認しましょう。本社管理部門の評価がホワイトでも、現場の評価が低い場合、希望の職種は激務である可能性があります。
- 最新の情報を優先する:警備業界は、大規模な契約獲得や人員の増減で労働環境が短期間に大きく変化することがあります。数年前の古い口コミではなく、直近1年以内の情報を最優先で参考にしましょう。
転職エージェントをフル活用する
警備業界に特化した転職エージェント、あるいは施設管理・セキュリティ業界に強い担当者を見つけることは、ホワイト企業探しにおいて非常に有効な手段です。
エージェントは、企業の人事と密接に連絡を取り合っているため、企業の採用背景、現場ごとの雰囲気、労働時間の具体的な傾向、そして非公開求人など、個人では得られない情報を持っています。
- 「ホワイト企業志向」と「夜勤の許容範囲」を明確に伝える:エージェントには、「残業時間30時間以内、有休消化率65%以上」といった具体的なホワイト度の希望条件に加え、「夜勤は週1回までを希望」といったシフトに関する条件も明確に伝えましょう。
- 交渉の代行を依頼する:内定が出た後、給与や入社時期だけでなく、「入社後の想定される残業時間の上限」や「希望休・連休の取得実績」について、エージェントを通じて企業に確認や交渉を依頼することも可能です。
警備の「社会貢献」と「個人の生活」の調和を目指す
警備員という仕事は、社会の安全・安心を守る、非常に貢献度の高い仕事です。しかし、その責任感が過度な労働を招いてしまうケースも存在します。
今回ご紹介したランキングは、客観的なデータに基づき、その激務度を明確にするためのものです。「データ」「現場の声」「エージェント情報」の3つの視点から企業を徹底的に調査することで、やりがいと働きやすさを両立できる最適な「ホワイト企業」を見つけてください。



