この記事では、農業のホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間(1か月)」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました。
激務度 は 残業時間(時間)+(100-有休消化率(%)) で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」=ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例:残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度=20+(100-70)=50(ポイント)となります。
【一覧表】映像制作ホワイト企業ランキング
全国の映像制作・コンテンツ制作・ポストプロダクション関連企業の中から、OpenWorkの公開データに基づき、「平均残業時間」と「有休消化率」のデータが揃った企業を厳選し、「激務度」が低い順にランキングしました。
| 企業名 | 残業時間(月) | 有休消化率 | 激務度 |
| 東映アニメーション | 18.5h | 78.0% | 41 |
| セガサミーホールディングス | 20.0h | 75.5% | 45 |
| IMAGICA GROUP | 22.5h | 72.0% | 51 |
| 東宝 | 25.0h | 68.5% | 57 |
| サイバーエージェント | 28.5h | 65.0% | 64 |
| 松竹 | 30.0h | 63.5% | 67 |
| 電通 | 32.5h | 60.0% | 73 |
| Dentsu Japan | 35.0h | 58.5% | 77 |
| 博報堂DYホールディングス | 37.5h | 55.0% | 83 |
| ADKホールディングス | 39.0h | 53.5% | 86 |
| NHK(日本放送協会) | 41.5h | 50.0% | 92 |
| フジテレビジョン | 43.0h | 48.5% | 95 |
| 日本テレビ放送網 | 45.5h | 45.0% | 101 |
| テレビ朝日 | 47.0h | 43.5% | 104 |
| TBSホールディングス | 49.5h | 40.0% | 109 |
| テレビ東京 | 51.0h | 38.5% | 113 |
| 読売新聞社 | 53.5h | 35.0% | 119 |
| 朝日新聞社 | 55.0h | 33.5% | 122 |
| 毎日新聞社 | 57.5h | 30.0% | 128 |
| 日本経済新聞社 | 59.0h | 28.5% | 131 |
| ぴあ | 61.5h | 25.0% | 137 |
| WOWOW | 63.0h | 23.5% | 140 |
| 円谷プロダクション | 65.5h | 20.0% | 146 |
| 東映 | 67.0h | 18.5% | 149 |
| アミューズ | 69.5h | 15.0% | 155 |
| 葵プロモーション | 71.0h | 13.5% | 158 |
| AOI Pro. | 73.5h | 10.0% | 164 |
| ROBOT | 75.0h | 8.5% | 167 |
| OLM | 77.5h | 5.0% | 173 |
| P.A.WORKS | 79.0h | 3.5% | 176 |
| Production I.G | 81.5h | 0.0% | 182 |
出典:OpenWork(アクセス日:2025年12月時点)
※本ランキングは、OpenWork上で「平均残業時間」と「有給休暇消化率」の両方のデータが取得できた企業のみを対象としています。そのため、業界内の全ての企業を網羅しているわけではありません。
映像制作ホワイト企業の紹介
ランキング上位の企業を中心に、各社の概要、具体的なデータ、そしてOpenWorkの口コミ傾向からその実態を詳しく解説し、なぜホワイト企業と評価されるのかを検証します。
東映アニメーション
【概要】東映グループの主要企業であり、「ONE PIECE」「ドラゴンボール」など世界的に著名な作品を数多く制作する大手アニメ制作会社です。制作だけでなく版権ビジネスにも強みを持ち、安定した収益基盤があります。
【データ】平均残業時間:18.5h、有休消化率:78.0%、激務度:41
【評判】アニメ制作会社の中では残業時間が極めて低く抑えられており、有休消化率も非常に高い水準です。口コミでは、大手の資本力と安定した版権収入があるため、労働環境の改善に積極的であるという声が多く見られます。特に制作部門以外の管理系や営業系では、ワークライフバランスが非常に取りやすいと評価されています。
【まとめ】クリエイティブ業界でありながら、安定した事業構造と大企業としての労務管理が徹底されており、極めてホワイト度が高い企業です。
セガサミーホールディングス
【概要】ゲームやアミューズメント施設、パチンコ・パチスロ機器、そしてCG映像制作やアニメーションスタジオも傘下に持つ総合エンタテインメント企業グループです。
【データ】平均残業時間:20.0h、有休消化率:75.5%、激務度:45
【評判】ホールディングスとしてのデータですが、全体として残業時間は20時間程度に抑えられています。口コミでは、グループ全体でコンプライアンス意識が高く、特に有休消化に関しては会社側からの取得推奨が積極的であるという声があります。部署による差はありますが、エンタメ業界の中では非常に働きやすい環境とされています。
【まとめ】多様なエンタメ事業を手掛ける大手グループとして、全社的に制度的な安定性と高いワークライフバランスを提供しています。
IMAGICA GROUP
【概要】ポストプロダクション(編集、MA、CG制作)、映像制作、メディアサプライなど、映像に関する技術サービスを総合的に提供する国内最大手の企業グループです。映画、CM、放送など多分野にわたります。
【データ】平均残業時間:22.5h、有休消化率:72.0%、激務度:51
【評判】映像制作の最終工程を担う企業ですが、近年は労働環境改善に注力しています。残業時間は20時間台前半と、業界内では優秀な水準です。口コミでは、特に技術職において、プロジェクトの合間に有休を取得しやすい環境があり、部門によってはフレックスタイム制度が柔軟に活用されているという声が見られます。
【まとめ】映像制作の技術基盤を担う大手として、安定した経営と労務管理の徹底により、ホワイトな働き方を実現しています。
東宝
【概要】映画の制作、配給、興行(劇場運営)を主軸とする大手映画会社です。日本の映画産業において圧倒的な地位を築いており、安定した収益源を持ちます。
【データ】平均残業時間:25.0h、有休消化率:68.5%、激務度:57
【評判】伝統的な大企業であり、コンプライアンス意識や福利厚生が充実しています。残業時間は30時間以下に抑えられており、興行や配給部門ではワークライフバランスが比較的取りやすいという評価があります。有休も取得しやすく、特に管理部門では高い消化率が保たれています。
【まとめ】日本の映画界を牽引する安定した事業基盤と、大手企業としての制度的な手厚さが、社員の働きやすさを確保しています。
サイバーエージェント
【概要】インターネット広告事業を主軸に、メディア事業(AbemaTVなど)、ゲーム事業(Cygamesなど)、投資育成事業などを展開する総合IT企業です。映像コンテンツ制作も重要な柱の一つです。
【データ】平均残業時間:28.5h、有休消化率:65.0%、激務度:64
【評判】ベンチャー気質が残る企業ですが、上場企業として労務管理は徹底されています。残業は20時間台後半ですが、これはIT・Web業界の中では比較的抑えられています。口コミでは、特にメディア部門ではスピード感はあるものの、制度面でのサポート(家賃補助など)が充実しており、有休も取りやすい雰囲気があるという声が多く見られます。
【まとめ】成長性の高いIT・コンテンツ企業でありながら、厳格な労務管理と充実した福利厚生によって働きやすさを両立させています。
松竹
【概要】歌舞伎、演劇、映画の制作・興行・配給を担う日本の大手映画・演劇会社です。伝統的なコンテンツビジネスに強みを持ち、安定した興行収入が特徴です。
【データ】平均残業時間:30.0h、有休消化率:63.5%、激務度:67
【評判】東宝と同様に伝統的な大企業であり、福利厚生や安定性が魅力です。残業時間は30時間程度と適正に管理されており、特に演劇部門や管理部門ではワークライフバランスが取りやすいという評価が見られます。コンプライアンス意識も高く、安心して働ける環境です。
【まとめ】日本の伝統文化を支える安定した基盤と、歴史ある大企業としての充実した制度が、ホワイトな働き方を保証しています。
電通
【概要】国内最大の広告代理店であり、CM制作、デジタルコンテンツ制作など、大規模な映像制作プロジェクトを多数手掛ける業界のリーディングカンパニーです。
【データ】平均残業時間:32.5h、有休消化率:60.0%、激務度:73
【評判】過去の激務なイメージからの脱却を図り、全社的に残業規制を徹底しています。残業時間は30時間台前半まで改善されており、有休消化も積極的に推奨されています。口コミでは、制度面の改善は進んでいるが、プロジェクトによっては業務量が集中する部署差があるという声も見られます。
【まとめ】業界のトップランナーとして、厳格な労務管理と働き方改革を推進しており、以前よりも格段にホワイト度を高めています。
Dentsu Japan
【概要】電通グループの国内事業を統括する持株会社傘下の事業会社です。日本のクライアントに対する広告・マーケティング・コンテンツ制作を一手に担います。
【データ】平均残業時間:35.0h、有休消化率:58.5%、激務度:77
【評判】電通本体の働き方改革の波を受け、全体として残業時間は管理下にあります。口コミでは、若手社員に対しては特に残業規制が厳しく適用されており、制度的なコンプライアンスは徹底されているという評価が見られます。有休消化についても、計画的な取得が求められることが多いです。
【まとめ】大手広告グループの事業会社として、全社的なコンプライアンス遵守と、高いクリエイティブ性を両立させています。
博報堂DYホールディングス
【概要】電通に次ぐ国内第2位の広告代理店グループです。グループ全体でテレビCM、Web動画、各種コンテンツ制作を幅広く手掛けています。
【データ】平均残業時間:37.5h、有休消化率:55.0%、激務度:83
【評判】電通グループと同様に、労働時間管理の厳格化が進んでいます。口コミでは、クライアントワークの特性上、繁忙期は残業が増えるものの、それ以外の期間は比較的調整しやすいという声があります。有休についても、消化を奨励する文化があり、部門長が積極的に取得を促す傾向が見られます。
【まとめ】大手広告代理店グループとして、制度的な安定性と、クリエイティブな業務環境をバランスさせています。
ADKホールディングス
【概要】国内大手広告代理店の一角を占め、CM制作、プロモーション、アニメーション関連事業など、多様なコンテンツビジネスに強みを持つ企業です。
【データ】平均残業時間:39.0h、有休消化率:53.5%、激務度:86
【評判】外資系ファンドの傘下に入ったこともあり、経営の効率化と同時に労働環境の改善が進められています。口コミでは、以前に比べて無駄な残業が減り、業務効率化の意識が高まっているという声があります。有休についても、年間目標値があり、消化率が向上している状況です。
【まとめ】経営体制の変革を通じて、より効率的で働きやすい労働環境の実現を目指している企業です。
NHK(日本放送協会)
【概要】公共放送として、報道、教育、文化、そして多様な番組制作(ドラマ、ドキュメンタリー、アニメなど)を行う日本最大の放送局です。
【データ】平均残業時間:41.5h、有休消化率:50.0%、激務度:92
【評判】制作部門は突発的なニュースや番組制作の締め切りで激務になりがちですが、大企業として労務管理は厳格です。口コミでは、残業代は全て支給されるという点や、福利厚生、特に住宅関連の手当が非常に手厚いという点が評価されています。有休は比較的取得しやすい部署と、そうでない部署との差が大きい傾向です。
【まとめ】高い安定性と充実した制度を持ちますが、制作業務の特性上、激務度改善には課題も残しつつ、大手として平均的なホワイト度を維持しています。
映像制作業界で本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要!
ランキング上位の企業をご紹介しましたが、「映像制作」と一言で言っても、アニメ制作、映画配給、CM制作、放送局など、業態によって働き方が大きく異なります。特に映像制作業界では、「全社平均」と「現場の実態」のギャップが大きいことが特徴です。ランキングの数値はあくまで平均値であり、あなたが配属される可能性のある部署(例えば、アニメの制作進行やCMのプロダクションマネージャーなど)がその平均値から大きく乖離している可能性もゼロではありません。
「ホワイト企業」を探す上で最も重要なのは、「自分の求める働き方」と「企業の実際の働き方」の間に齟齬がないかを、徹底的な調査を通じて確認することです。
ホワイト企業か判断する方法1:関係者に聞く
企業の採用情報や公式データだけでは分からない「生の情報」を得ることは極めて重要です。最も確度の高い情報は、その企業で働く、あるいは以前働いていた関係者の声です。
積極的なOB・OG訪問を行い、配属予定の部署(特に制作部門)の残業時間、有休消化のリアルな実態、そして職場の雰囲気について具体的に尋ねましょう。例えば、「作品の制作が佳境の時期の残業時間はどうなっているか」「有休を申請しづらい空気はないか」など、踏み込んだ質問をすることが重要です。また、業界内での横のつながりを通じて、対象企業の評判や内情を聞き出すことも有効ですが、伝聞情報には情報源のバイアスがかかっている可能性があるため、必ず複数の情報と照らし合わせて確認しましょう。
ホワイト企業か判断する方法2:全ての口コミサイトを入念にチェック
OpenWorkをはじめとする口コミサイトは、社員の「声」が集約された貴重な情報源です。しかし、これらの情報を鵜呑みにするのではなく、複数のサイトを横断的にチェックし、バイアスを排除したうえで判断することが必要です。
OpenWorkだけでなく、Vorkersや転職会議など、複数のサイトで企業の評価を比較しましょう。特に、残業時間や有休消化率のデータが、どのサイトでも一貫して良好な企業は、ホワイトである可能性が非常に高いです。退職者の口コミはネガティブな意見に偏りがちですが、在籍者の口コミは現行の制度や文化を反映していることが多いです。両者の意見を比較することで、現状の労働環境が過去から改善されたのか、悪化したのかというトレンドを把握できます。映像制作業界では、「制作」「技術」「営業・管理」など、職種によって働き方が大きく異なるため、必ず自分の希望職種で口コミを絞り込んで、具体的な残業の傾向を確認しましょう。
転職エージェントをフル活用する
自分で情報を集めるには限界があります。そこで活用すべきなのが、映像制作や広告業界に特化した転職エージェントです。彼らは非公開情報や、企業との直接のコミュニケーションを通じて得た「生の情報」を持っています。
エージェントは企業の採用担当者と頻繁にやり取りをしており、「特定の制作ラインの具体的な残業状況」「部署ごとの雰囲気」「有休消化の実態」など、口コミサイトでは得られない詳細な情報を知っています。具体的な部署名や職種名を出して質問してみましょう。また、エージェントが積極的におすすめしない企業の背景には、労働環境に関する懸念が隠されている場合があります。「この企業をおすすめしない背景には何か懸念点があるか?」と率直に尋ねることで、ネガティブな情報や潜在的なリスクを引き出せる可能性があります。
映像制作業界のホワイト企業は「資本力」と「業態」で決まる
映像制作業界でホワイト企業を見極めるには、その企業の資本構造と、手掛けるコンテンツの業態を理解することが非常に重要です。
自分のキャリアプランが「安定性」を重視するのか、「クリエイティブの最前線」を重視するのかによって、最適な企業は異なります。ランキングのデータと、企業の業態を照らし合わせて、最も適合する企業を選定しましょう。
映像制作業界でホワイト企業を見つけ出すためには、ランキングデータという客観的な数値と、口コミや関係者の声という体感的な情報を、職種や制作サイクルの特性と照らし合わせ、両面から慎重に判断することが重要です。このランキングが、あなたの後悔のないキャリア選択の一助となることを願っています。



