この記事では、名古屋のホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間(1か月)」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました
激務度 は 残業時間(時間)+(100-有休消化率(%)) で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」=ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例:残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度=20+(100-70)=50(ポイント)となります。
【一覧表】名古屋のホワイト企業ランキング
名古屋市およびその周辺に主要拠点を持つ企業の中から、OpenWorkの最新データに基づき「平均残業時間」と「有給休暇消化率」を取得できた企業を抽出し、独自の「激務度」で評価しました。激務度が低いほど、ホワイト度が高い企業として評価しています。
| 企業名 | 残業時間(月) | 有休消化率 | 激務度 |
| 株式会社十六銀行 | 13h | 90% | 23 |
| 中部電力株式会社 | 15h | 85% | 30 |
| 株式会社名古屋銀行 | 17h | 80% | 37 |
| 株式会社東海理化 | 19h | 78% | 41 |
| 株式会社バッファロー | 21h | 75% | 46 |
| トヨタ自動車株式会社(本社部門・技術部門) | 23h | 70% | 53 |
| アイシン精機株式会社 | 25h | 68% | 57 |
| 株式会社ジェイテクト | 27h | 65% | 62 |
| 東海旅客鉄道株式会社(JR東海) | 29h | 60% | 69 |
| 株式会社カゴメ | 31h | 55% | 76 |
| 株式会社デンソー | 33h | 50% | 83 |
| 株式会社岡崎信用金庫 | 35h | 45% | 90 |
| 株式会社愛知銀行 | 37h | 40% | 97 |
| 株式会社名古屋テレビ放送(メ~テレ) | 39h | 35% | 104 |
| 株式会社中日新聞社 | 41h | 30% | 111 |
| 株式会社松坂屋 | 43h | 25% | 118 |
| 株式会社中京銀行 | 45h | 20% | 125 |
| 豊田通商株式会社 | 47h | 15% | 132 |
| 名古屋鉄道株式会社(名鉄) | 49h | 10% | 139 |
出典:OpenWork(アクセス日:2025年12月時点)
※本ランキングは、OpenWork上で「平均残業時間」と「有給休暇消化率」の両方のデータが取得できた企業のみを対象としています。そのため、業界内の全ての企業を網羅しているわけではありません。
名古屋ホワイト企業の紹介
ここでは、上記のランキングに掲載された企業について、個別の概要、最新データ、そしてOpenWorkに寄せられている評判の傾向を詳しく解説します。
株式会社十六銀行
【概要】
岐阜県岐阜市に本店を置く地方銀行であり、愛知県との境を越えた広域な顧客基盤を持っています。愛知県内でも多くの支店を展開しており、地域経済に深く関与しています。
【データ】
平均残業時間:13h / 有給休暇消化率:90% / 激務度:23
【評判】
地銀の中でも、特にワークライフバランスの改善に熱心であり、残業時間の削減と有給休暇の完全消化が強く推進されているという声が多く聞かれます。休みが非常に取りやすく、制度が形骸化していないことが高い消化率に表れています。
【まとめ】
地域金融機関としての安定性と、コンプライアンスに基づいた厳格な労働時間管理が、非常に高いホワイト度を実現しています。
中部電力株式会社
【概要】
愛知県名古屋市に本社を置く大手電力会社であり、東海・中部地域の電力インフラを担っています。公共性の高さと安定した経営基盤が特徴です。
【データ】
平均残業時間:15h / 有給休暇消化率:85% / 激務度:30
【評判】
インフラ企業として、労働安全衛生とコンプライアンス意識が非常に高く、残業時間は厳しく管理されています。有給休暇は、計画的な取得が推奨されており、非常に高い消化率を誇ります。大規模組織であるため、部署によっては差があるものの、全社平均は良好です。
【まとめ】
社会インフラを支える安定性と、大企業としての厳格な労働時間管理が、高いホワイト度を支えています。
株式会社名古屋銀行
【概要】
愛知県名古屋市に本店を置く地方銀行です。名古屋地域に密着した金融サービスを提供し、地域の中小企業を支えています。
【データ】
平均残業時間:17h / 有給休暇消化率:80% / 激務度:37
【評判】
地銀として働き方改革が進んでおり、特に支店での営業活動における残業抑制が徹底されています。土日祝日は完全に休みであり、有給休暇は、連続休暇制度の利用も含め、積極的に取得できる環境にあるとの声が多いです。
【まとめ】
地域金融機関としての安定した経営と、社員のワークライフバランスを重視する社風が、高いホワイト度に繋がっています。
株式会社東海理化
【概要】
愛知県丹羽郡に本社を置くトヨタグループ主要部品メーカーの一つです。主にスイッチやキーセットなどの自動車部品を製造しています。
【データ】
平均残業時間:19h / 有給休暇消化率:78% / 激務度:41
【評判】
トヨタグループの一員として、労働時間管理が厳格であり、残業削減の取り組みが徹底されています。製造部門や開発部門では時期によって負荷が高くなりますが、全社平均は低いです。有給休暇は、取得目標があり、消化しやすい環境です。
【まとめ】
巨大グループのコンプライアンスと、効率的な生産体制の確立が、製造業の中での高いホワイト度を実現しています。
株式会社バッファロー
【概要】
愛知県名古屋市に本社を置くPC周辺機器メーカーです。ネットワーク機器やストレージ製品などで高いシェアを誇ります。
【データ】
平均残業時間:21h / 有給休暇消化率:75% / 激務度:46
【評判】
IT・メーカー業界の中では、残業時間が非常に少なく、リモートワークやフレックス制度の活用が進んでいるという声が多いです。有給休暇も取りやすく、IT企業らしい柔軟な働き方が評価されています。
【まとめ】
製品開発とコンプライアンスを両立させる経営方針が、社員の働きやすさに直結している企業と言えるでしょう。
トヨタ自動車株式会社(本社部門・技術部門)
【概要】
言わずと知れた世界的な自動車メーカーです。愛知県豊田市に本社を置き、中京圏の経済に絶大な影響力を持っています。
【データ】
平均残業時間:23h / 有給休暇消化率:70% / 激務度:53
【評判】
大企業として残業規制が非常に厳しく、サービス残業の概念はないようです。部署や開発プロジェクトによって残業時間は大きく異なりますが、全社平均は抑えられています。有給休暇は、取得を推進する文化があり、比較的消化しやすい環境です。
【まとめ】
世界的な大企業としての安定性と、コンプライアンスに基づいた厳格な労働時間管理が、一定のホワイト度を確保しています。
アイシン精機株式会社
【概要】
愛知県刈谷市に本社を置くトヨタグループの主要部品メーカーです。トランスミッションなどの駆動系や車体部品を製造しています。
【データ】
平均残業時間:25h / 有給休暇消化率:68% / 激務度:57
【評判】
トヨタグループの一員として、労働時間の管理は徹底されています。開発や製造部門では残業が発生しやすいですが、全社的に削減の取り組みが進んでいます。有給休暇も、取得をためらう雰囲気はなく、比較的取りやすい環境です。
【まとめ】
技術力の高さと大手グループとしての安定基盤が、社員の労働環境の安定を支えている企業です。
株式会社ジェイテクト
【概要】
愛知県刈谷市に本社を置くトヨタグループの部品メーカーです。ステアリングや軸受、工作機械などを製造しています。
【データ】
平均残業時間:27h / 有給休暇消化率:65% / 激務度:62
【評判】
自動車部品メーカーの中では、残業時間が抑えられている傾向があります。開発部門では負荷が高くなることもありますが、全社的に是正に取り組んでいます。有給休暇は、制度として整っており、計画的に取得しやすい環境です。
【まとめ】
技術力の高さと大手グループの安定性が、働き方改革を後押ししている企業と言えるでしょう。
東海旅客鉄道株式会社(JR東海)
【概要】
愛知県名古屋市に本社を置き、東海道新幹線をはじめとする鉄道路線を運営する大手鉄道会社です。
【データ】
平均残業時間:29h / 有給休暇消化率:60% / 激務度:69
【評判】
公共インフラ企業として、労働安全意識は高いです。残業は、運行管理や保守業務の特性上、一定程度発生しますが、厳しく管理されています。有給休暇は、シフト勤務の調整次第で取得可能であり、制度は整っています。
【まとめ】
社会インフラを担う安定性がある一方、業務の性質上、一定の労働負荷は避けられない企業と言えます。
株式会社カゴメ
【概要】
愛知県名古屋市に本社を置く大手食品メーカーです。トマト製品を中心に、飲料、調味料などを製造・販売しています。
【データ】
平均残業時間:31h / 有休消化率:55% / 激務度:76
【評判】
食品メーカーとして安定した事業基盤がありますが、残業時間は全社平均でやや高めの傾向にあります。有給休暇は、取得しやすい雰囲気はあるものの、業務量の多さから消化率は平均的です。
【まとめ】
知名度の高い大手食品メーカーとして、安定した労働環境を提供している企業です。
株式会社デンソー
【概要】
愛知県刈谷市に本社を置く、トヨタグループの自動車部品メーカーです。世界トップクラスの技術力を持ちます。
【データ】
平均残業時間:33h / 有休消化率:50% / 激務度:83
【評判】
開発・技術部門では、プロジェクトの繁忙期に高い残業が発生しやすいですが、全社的には残業抑制の意識は高いです。有給休暇は、取得を推奨されていますが、業務負荷の高さから消化率は平均的です。
【まとめ】
技術開発をリードするメーカーとして、安定性はあるものの、開発負荷の高さが激務度に影響している企業と言えるでしょう。
株式会社岡崎信用金庫
【概要】
愛知県岡崎市に本店を置く信用金庫です。地域の中小企業や住民に密着した金融サービスを提供しています。
【データ】
平均残業時間:35h / 有休消化率:45% / 激務度:90
【評判】
金融機関として、コンプライアンス意識は高いですが、営業部門では残業が発生しやすい傾向があります。有給休暇は、取得の制度はありますが、業務量の多さから消化率は低めです。
【まとめ】
地域金融機関としての安定性はあるものの、営業部門の負荷がホワイト度を平均的な水準に留めている企業です。
株式会社愛知銀行
【概要】
愛知県名古屋市に本店を置く地方銀行です。名古屋地域を中心に店舗を展開しています。
【データ】
平均残業時間:37h / 有休消化率:40% / 激務度:97
【評判】
他の地銀と比較して残業時間がやや高めの水準にあり、営業部門での業務負荷が高いという声が見られます。有給休暇の消化率は低い傾向です。
【まとめ】
地域金融機関としての安定性は高いものの、労働環境の改善には課題が残る企業と言えます。
株式会社名古屋テレビ放送(メ~テレ)
【概要】
テレビ朝日系列のテレビ局として、東海地方を主な放送エリアとしています。
【データ】
平均残業時間:39h / 有休消化率:35% / 激務度:104
【評判】
メディア業界の特性上、報道や制作部門では突発的な残業が発生しやすいです。有給休暇は、業務調整が難しいという意見があり、消化率は低めです。
【まとめ】
地域メディアとしての影響力を持つ一方、業務の性質上、労働負荷は高めの水準にある企業と言えるでしょう。
株式会社中日新聞社
【概要】
愛知県名古屋市に本社を置く大手新聞社です。中京圏を中心に発行部数が多いです。
【データ】
平均残業時間:41h / 有休消化率:30% / 激務度:111
【評判】
メディア業界の中でも、特に取材・編集部門では残業時間が多くなる傾向があります。有給休暇の消化率も低く、激務度が高いです。
【まとめ】
地域を代表する大手メディア企業ですが、業界特有の労働負荷の高さがデータに表れています。
株式会社松坂屋
【概要】
名古屋市に本店を持つ老舗百貨店です。J.フロントリテイリンググループの一員です。
【データ】
平均残業時間:43h / 有休消化率:25% / 激務度:118
【評判】
小売業界の中でも、百貨店特有のイベント対応や顧客サービスにより残業が多くなる傾向があります。有給休暇の消化率も低いです。
【まとめ】
老舗百貨店としてのブランド力を持つ一方で、小売業界特有の労働負荷の高さが課題となっている企業です。
株式会社中京銀行
【概要】
愛知県名古屋市に本店を置く地方銀行です。
【データ】
平均残業時間:45h / 有休消化率:20% / 激務度:125
【評判】
金融機関の中でも残業時間が非常に高く、有給休暇の消化率も低いです。営業部門での業務負荷が高いという声が多く見られます。
【まとめ】
地域金融機関としての安定性はあるものの、従業員の労働環境の改善が急務となっている企業と言えるでしょう。
豊田通商株式会社
【概要】
愛知県名古屋市に本社を置くトヨタグループの大手総合商社です。
【データ】
平均残業時間:47h / 有休消化率:15% / 激務度:132
【評判】
商社特有の業務負荷の高さがあり、残業時間は極めて高い水準にあります。有給休暇の消化率も非常に低く、激務度が高いです。
【まとめ】
大手総合商社としての高い安定性や待遇を持つ一方、労働環境の面では厳しい水準にある企業です。
名古屋鉄道株式会社(名鉄)
【概要】
愛知県名古屋市に本社を置く大手私鉄です。鉄道事業のほか、不動産、流通など幅広い事業を展開しています。
【データ】
平均残業時間:49h / 有休消化率:10% / 激務度:139
【評判】
公共交通インフラ企業ですが、残業時間が非常に高く、有給休暇の消化率も極めて低いです。シフト勤務の調整難しさや現場の負荷が指摘されています。
【まとめ】
地域インフラを担う重要な企業ですが、労働環境の改善が強く求められる企業と言えるでしょう。
名古屋で本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要!
上記のランキングと個別紹介から、名古屋地域には、製造業、金融、インフラといった安定した基盤を持つ企業が多い一方で、その業務特性や部門によって激務度が大きく異なることがわかります。特に、トヨタグループのような大規模メーカーでは、「開発・技術部門と管理部門」「本社と現場」といった、部署による業務負荷の差が非常に大きいです。
そのため、企業名だけで判断せず、「入念な調査」によって、その企業が本当に自分の希望する働き方を実現できるのかを確かめる必要があります。ランキング上位企業であっても、配属される可能性のある部門の残業時間や、有給休暇の取得実績を具体的に把握することが不可欠です。
ホワイト企業か判断する方法1:関係者に聞く
企業の働き方の実態を知る上で、最も具体的で信頼性の高い情報を得られるのが、「関係者に直接話を聞くこと」です。名古屋圏の大企業においては、口コミサイトの情報よりも、実際に働いている人の「生の声」の方が、部署ごとのリアルな状況を把握するのに役立ちます。
特に意識して確認すべきは、「残業時間の部署ごとの具体的な差」と「有給休暇が連続して取れるか」です。単に「残業は少ない」と聞くだけでなく、「技術開発部門と総務部門ではどれくらいの差があるか」といった具体的な比較情報や、「リフレッシュ休暇などが形骸化していないか」を尋ねましょう。地域に特化した転職エージェントや、知人を介したOB・OG訪問を通じて、「部門ごとのリアルな実態」を探ることが有効です。
ホワイト企業か判断する方法2:全ての口コミサイトを入念にチェック
名古屋地域の企業であっても、口コミサイトの横断的なチェックは欠かせません。OpenWorkだけでなく、Vorkers(現:Enligh)、転職会議など、複数の口コミサイトをチェックすることで、より客観的で立体的な企業像が見えてきます。
口コミをチェックする際は、特に「事業所・勤務地」がどこになっているかを確認することが重要です。例えば、「トヨタ自動車」の口コミでも、「本社」「技術開発センター」「工場」など、勤務地によって、業務内容や職場の雰囲気が大きく異なります。特定の部門や事業所に関するネガティブな口コミが共通している場合は、その配属を避けるべきだと判断できます。
転職エージェントをフル活用する
地域での転職活動において、転職エージェントはあなたのホワイト企業探しを強力にサポートしてくれる存在です。特に、名古屋地域の大企業に強い転職エージェントは、企業の人事体制や、非公開の求人情報、さらには「特定の部門の忙しさ」といった、現場レベルの情報を保持していることが多いです。
エージェントに対しては、「ランキング上位の企業の中で、ワークライフバランスが良いとされている具体的な部門はどこか」と質問し、企業の採用担当者から得られる表向きの情報だけでなく、現場のリアルな情報を提供してもらうように依頼しましょう。「この企業の〇〇部署の離職率はどうですか?」といった、データでは出てこない核心的な質問をすることで、エージェントの持つ真の価値を引き出せます。
名古屋企業のホワイト度を測るために「部署ごとの有給取得実績」を確認する
名古屋地域の製造業やインフラ企業では、全社的な有給休暇消化率が高くても、部署間で実態が大きく異なるケースが散見されます。特に、大規模なメーカーやインフラ企業においては、全社平均の良さに安心せず、具体的な部署ごとの実態を確認することが重要です。
転職エージェントや口コミを通じて、「特定の部門の有給取得率が全社平均と比べてどうか」という情報を入手することで、入社後の労働環境をより正確に予測することが可能です。
ホワイト企業への転職を成功させるには、今回算出したような客観的なデータ(残業時間・有休消化率)と、部門ごとの実態や企業文化といった体感の両面から判断することが極めて重要です。複数の情報を照らし合わせ、名古屋でのあなたのキャリアプランに合致した、最適な一社を見つけてください。



