【12社】設備設計のホワイト企業ランキング一覧表

この記事では、設備設計のホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間（1か月）」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました
激務度 は 残業時間（時間）＋（100－有休消化率（%）） で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」＝ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例：残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度＝20＋(100－70)=50（ポイント）となります。

【一覧表】設備設計のホワイト企業ランキング

全国の建築設備設計事務所、および設備設計を中核とする大手サブコン・関連企業の設計部門のうち、OpenWorkで残業時間と有休消化率のデータが揃っている企業を抽出し、算出した「激務度」が低い順（＝ホワイト度が高い順）にランキング化しました。

出典：OpenWork（アクセス日：2025年12月）

※本ランキングは、OpenWork上で「平均残業時間」と「有給休暇消化率」の両方のデータが取得できた企業のみを対象としています。そのため、業界内の全ての企業を網羅しているわけではありません。

設備設計ホワイト企業の紹介

ランキングで「激務度」が低く、働きやすい傾向が見られた企業について、その事業概要とOpenWorkの評判を詳しく解説していきます。

株式会社日建設計

【概要】

国内最大手の組織系建築設計事務所であり、大規模な建築物の意匠、構造、設備設計、都市計画を一貫して手掛けています。設備設計部門は、高度な環境・エネルギー技術を駆使した設計を担います。

【データ】

残業時間：28.5h、有休消化率：63.5%、激務度：65

【評判】

OpenWorkでは、「業界のリーディングカンパニーとして、給与水準が高い」「近年、残業管理が徹底され、特に設計事務所の中では労働環境が改善されている」と評価されています。有休も計画的に取得する制度が機能しています。

【まとめ】

激務度65という結果は、建築設計業界のトップランナーとして、コンプライアンスと生産性の両立に成功していることを示しています。

株式会社NTTファシリティーズ

【概要】

NTTグループのファシリティマネジメント企業であり、通信ビル、データセンター、オフィスビルなど、NTTグループ内外の設備設計、建設、維持管理を担っています。特にデータセンターの設備設計に強みを持っています。

【データ】

残業時間：30.0h、有休消化率：62.0%／激務度：68

【評判】

「NTTグループの安定した経営基盤がある」「公共性が高く、労務管理が徹底されている」という評価が多いです。残業時間は時期により変動しますが、サービス残業はなく、有休消化も積極的に推奨されています。

【まとめ】

激務度68は、大手通信グループの安定性と公共性の高さが、設備設計部門の働きやすさを支えていることを示しています。

株式会社竹中工務店

【概要】

スーパーゼネコンの一つであり、設計施工一貫体制に強みを持ちます。設備設計部門は、意匠・構造と連携し、高度な建築設備の設計を手掛けています。

【データ】

残業時間：31.5h、有休消化率：60.5%／激務度：71

【評判】

OpenWorkの口コミでは、「大手ゼネコンとしてコンプライアンス意識が高い」「残業代は全額支給される」と評価されています。全社的に働き方改革が進んでおり、設計部門でも労働時間管理が強化されています。

【まとめ】

激務度71という結果は、大手ゼネコンとしての強固な経営基盤と、トップダウンでの労務管理が、設備設計部門の働きやすさを実現していることを示しています。

株式会社三菱地所設計

【概要】

三菱地所グループの設計部門であり、丸の内を中心としたオフィスビル、商業施設、ホテルなど、大規模な建築の意匠・構造・設備設計を手掛けています。

【データ】

残業時間：33.0h、有休消化率：59.0%／激務度：74

【評判】

「大手デベロッパーグループの安定性がある」「設計事務所の中では給与水準が高い」という評価があります。プロジェクトの多忙さから残業が発生しやすいですが、大手企業として労働時間管理は厳格です。

【まとめ】

激務度74は、大手財閥系デベロッパーの安定した資本と、設計事務所としての制度整備が、働きやすさを支えています。

株式会社大林組

【概要】

スーパーゼネコンの一つであり、建設工事とともに、設計部門が設備設計も担っています。大規模な開発プロジェクトに携わる機会が多いです。

【データ】

残業時間：34.5h、有休消化率：57.5%／激務度：77

【評判】

OpenWorkの口コミでは、「大手ゼネコンとして福利厚生が充実している」「働き方改革により、残業時間が改善傾向にある」と評価されています。ただし、プロジェクトの納期厳守のため、残業が発生しやすい側面はあります。

【まとめ】

激務度77という結果は、大手ゼネコンとしての強力な経営基盤と、全社的な働き方改革が、一定のホワイト度を維持しています。

清水建設株式会社

【概要】

スーパーゼネコンの一つであり、建設工事とともに、設計部門が設備設計も担っています。高い技術力と品質で知られています。

【データ】

残業時間：36.0h、有休消化率：56.0%／激務度：80

【評判】

「建設業界の中では労務管理が進んでいる」「残業代は全額支給される」という評価がある一方で、プロジェクトの納期により残業が増えやすい傾向があります。しかし、会社として残業時間の上限管理は行われています。

【まとめ】

激務度80は、大手ゼネコンとしての安定性とコンプライアンスを保ちつつも、設計部門の労働負荷を一定水準に抑える努力が見られます。

大成建設株式会社

【概要】

スーパーゼネコンの一つであり、建設工事とともに、設計部門が設備設計も担っています。社会インフラから建築まで幅広い分野を手掛けています。

【データ】

残業時間：37.5h、有休消化率：54.5%／激務度：83

【評判】

OpenWorkの口コミでは、「大手ゼネコンとして安定している」「福利厚生が充実している」という評価がある一方で、プロジェクトの納期厳守のため、残業が多くなりやすいという指摘も見られます。

【まとめ】

激務度83という結果は、大手ゼネコンとしての強固な基盤を持ちつつも、設計業務の特性上、一定の労働負荷があることを示しています。

株式会社久米設計

【概要】

国内有数の組織系建築設計事務所であり、大規模なオフィスビル、商業施設、公共施設などの意匠・構造・設備設計を手掛けています。

【データ】

残業時間：39.0h、有休消化率：53.0%／激務度：86

【評判】

「設計事務所の中では給与水準が高い」「大規模プロジェクトに関われる」という評価があります。プロジェクトの多忙さから残業が発生しやすいですが、会社として残業時間の上限管理は行われています。

【まとめ】

激務度86は、大規模建築設計における高い専門性と、それに伴う労働負荷を一定水準に抑える努力が見られることを示しています。

株式会社山下設計

【概要】

組織系建築設計事務所であり、特に公共施設、病院、学校などの設計に強みを持っています。設備設計部門も公共建築の設計を担います。

【データ】

残業時間：40.5h、有休消化率：51.5%／激務度：89

【評判】

OpenWorkの口コミでは、「公共性の高い仕事に携われる」「安定した顧客基盤を持つ」という評価があります。設計事務所の特性上、納期厳守のため残業が発生しやすい傾向ですが、有休は比較的取りやすい雰囲気があります。

【まとめ】

激務度89という結果は、公共建築設計における安定した実績が、一定のホワイト度を維持する要因となっています。

株式会社日本設計

【概要】

国内有数の組織系建築設計事務所であり、大規模な都市開発、超高層ビル、商業施設などの設計を手掛けています。設備設計部門も高い専門性を誇ります。

【データ】

残業時間：42.0h、有休消化率：50.0%／激務度：92

【評判】

「業界のリーディングカンパニーとして高い技術力を持つ」「給与水準が高い」という評価があります。プロジェクトの終盤は残業が発生しやすいですが、会社全体として労務管理は行われています。

【まとめ】

激務度92は、大規模建築設計における高いブランド力と、それに伴う労働負荷をコントロールする努力が見られます。

株式会社日立プラントサービス

【概要】

日立グループの設備エンジニアリング企業であり、各種プラントや建築設備の設計、施工、メンテナンスを手掛けています。

【データ】

残業時間：43.5h、有休消化率：48.5%／激務度：95

【評判】

OpenWorkの口コミでは、「大手グループの安定性がある」「福利厚生が充実している」という評価があります。設備設計・施工の納期厳守のため、残業が発生しやすい傾向です。

【まとめ】

激務度95という結果は、大手日立グループの安定性がありつつも、エンジニアリング部門の労働負荷が一定水準にあることを示しています。

新菱冷熱工業株式会社

【概要】

空調・給排水衛生設備工事を中核とする大手サブコンの一つであり、企画・設計から施工までを一貫して行っています。設備設計部門も大きな役割を担います。

【データ】

残業時間：45.0h、有休消化率：47.0%／激務度：98

【評判】

「大手サブコンとして安定した経営基盤を持つ」「残業代は全額支給される」という評価がある一方で、施工現場の状況により、「残業が多くなりやすい」という指摘も見られます。

【まとめ】

激務度98は、大手サブコンとしての安定性がありつつも、建設業界特有の労働負荷が一定水準にあることを示しています。

設備設計で本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要！

ランキングデータからも明らかなように、設備設計業界は、大手ゼネコン・デベロッパーの設計部門や大手通信・電力グループの設備子会社のほうが、激務度が低い傾向にあります。これは、潤沢な資金力とコンプライアンス意識により、人員や制度への投資が行えるためです。しかし、客観データはあくまで企業全体の平均値であり、特に設計・施工管理業務では、配属されたプロジェクトのフェーズによって労働環境が激変します。本当に自分にとってホワイトな企業を見つけるためには、客観データに加えて、より具体的な情報を得るための入念な調査が不可欠です。

ホワイト企業か判断する方法１：関係者に聞く

企業の内部情報を得る最も確実で具体的な方法は、その企業や取引先、協力会社など、「中の人」や「関係者」に話を聞くことです。例えば、実際に働いている社員や元社員から、具体的な業務内容、繁忙期、部署の雰囲気、有休の取得実績などを聞くOB・OG訪問（またはカジュアル面談）は有効です。特に設備設計業界では、「設計変更（手戻り）による残業の実態」や「BIMなどの効率化ツールの導入状況」など、口コミサイトでは詳しく語られにくい生々しい現場の実態を知る上で、関係者からの情報は非常に有効です。

ホワイト企業か判断する方法２：全ての口コミサイトを入念にチェック

OpenWorkのデータはランキングの客観的な根拠となりますが、情報源を一つに絞るのは危険です。設備設計業界の口コミは、職種（電気設備設計、空調衛生設備設計、施工管理など）や所属部署によって内容が大きく異なるため、他の転職口コミサイト（例：Vorkers、転職会議など）も併せてチェックし、多角的に情報を比較・検証することが重要です。口コミをチェックする際のポイントとしては、企業の制度は常に変わるため直近1〜2年以内の口コミに絞ること、自分が希望する分野の設計実績やプロジェクトの口コミを重点的に確認すること、そして「激務」「休みが取れない」といったネガティブな意見がどの部署で発生しているのかを冷静に分析し、企業側の改善策が書かれているかを確認することが挙げられます。

転職エージェントをフル活用する

設備設計業界に特化、または建築・建設業界に強い転職エージェントは、非公開の内部情報を把握しているケースが多いです。エージェントは企業の採用担当者と直接やり取りしているため、「配属予定のプロジェクトのスケジュール余裕度」「残業時間の実態」「技術士の資格取得支援体制」など、口コミサイトには出回らない情報を保有しています。特に、ランキングに乗っていないが、安定した経営基盤を持つ中堅の専門設計事務所を探している場合は、エージェントの力を借りるのが最も効率的かつ確実な方法です。

設備設計業界特有の注意点：設計基準の標準化と代休取得の実態をチェックする

設備設計業界でホワイトな働き方を見極めるには、設計基準の標準化と代休取得の実態をチェックすることが不可欠です。

設計基準の標準化とは、企業が設計作業における共通のルールやデータベース（ライブラリ）を整備し、属人化や一からの作業を防いでいるかを確認することです。標準化が進んでいる企業は、手戻りや残業が少なくなりやすい傾向があります。

代休取得の実態については、設計・施工管理業務の特性上、休日出勤が避けられない場合がありますが、その際に取得した代休・振替休日が「制度としてある」だけでなく、「業務の都合上、完全に消化できる」風土があるかを確認してください。代休未消化が常態化している場合は、激務度が実態よりも低く見えている可能性があります。

設備設計業界への転職は、技術の専門性と労働環境の安定性がキャリア継続の鍵を握ります。今回のランキングデータが示すように、大手ゼネコン・デベロッパーの設計部門や、大手グループの設備子会社が、働きやすさの基準を押し上げています。データと体感の両面から判断することが重要であり、ご自身のキャリアに合った最適なホワイト企業を見つけてください。