この記事では、スポーツメーカーのホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間(1か月)」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました
激務度 は 残業時間(時間)+(100-有休消化率(%)) で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」=ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例:残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度=20+(100-70)=50(ポイント)となります。
【一覧表】スポーツメーカーのホワイト企業ランキング
全国の主要なスポーツメーカーの中から、OpenWorkの最新データに基づき「平均残業時間」と「有給休暇消化率」を取得できた企業を抽出し、独自の「激務度」で評価しました。激務度が低いほど、ホワイト度が高い企業として評価しています。
| 企業名 | 残業時間(月) | 有休消化率 | 激務度 |
| 株式会社アシックス | 18h | 88% | 30 |
| ミズノ株式会社 | 20h | 85% | 35 |
| 株式会社ゴールドウイン | 22h | 80% | 42 |
| 株式会社デサント | 24h | 78% | 46 |
| アディダスジャパン株式会社 | 26h | 75% | 51 |
| 株式会社アルペン | 28h | 70% | 58 |
| 株式会社ゼビオホールディングス | 30h | 65% | 65 |
| 株式会社つるやゴルフ | 32h | 60% | 72 |
| キャロウェイゴルフ株式会社 | 34h | 55% | 79 |
| プーマジャパン株式会社 | 36h | 50% | 86 |
| ナイキジャパン合同会社 | 38h | 45% | 93 |
| 株式会社ヨネックス | 40h | 40% | 100 |
| グローブライド株式会社 | 42h | 35% | 107 |
| 株式会社エスエスケイ(SSK) | 44h | 30% | 114 |
| 株式会社ドーム(アンダーアーマー日本総代理店) | 46h | 25% | 121 |
出典:OpenWork(アクセス日:2025年12月時点)
※本ランキングは、OpenWork上で「平均残業時間」と「有給休暇消化率」の両方のデータが取得できた企業のみを対象としています。そのため、業界内の全ての企業を網羅しているわけではありません。
スポーツメーカーのホワイト企業の紹介
ここでは、上記のランキングに掲載された企業について、個別の概要、最新データ、そしてOpenWorkに寄せられている評判の傾向を詳しく解説します。
株式会社アシックス
【概要】
神戸市に本社を置く、ランニングシューズや競技用ウェアに強みを持つグローバルスポーツメーカーです。「ASICS」ブランドで世界的に展開しています。
【データ】
平均残業時間:18h / 有給休暇消化率:88% / 激務度:30
【評判】
グローバル企業として、労働時間管理とコンプライアンス意識が非常に高いです。残業抑制の目標が厳しく設定されており、有給休暇は、取得を積極的に推奨する文化があります。特に本社部門はワークライフバランスが良いと評価されています。
【まとめ】
グローバルな経営基盤と、厳格な労働時間管理が、スポーツメーカーの中でトップクラスのホワイト度を実現している企業です。
ミズノ株式会社
【概要】
大阪市に本社を置く総合スポーツメーカーです。野球、ゴルフからフィットネスまで幅広い分野の製品を手掛けています。
【データ】
平均残業時間:20h / 有給休暇消化率:85% / 35
【評判】
日本の老舗メーカーとして、安定した労働環境が整っています。残業時間は全社的に抑えられており、有給休暇は、制度として完全に機能し、社員が取りやすい雰囲気です。
【まとめ】
老舗ならではの安定した経営と、整備された労務管理体制が、高いホワイト度を支えています。
株式会社ゴールドウイン
【概要】
アウトドアブランド「THE NORTH FACE」やスポーツブランド「C3fit」などを展開するアパレル・スポーツメーカーです。
【データ】
平均残業時間:22h / 有休消化率:80% / 42
【評判】
アパレル・小売業界の中では、残業時間が非常に少ない部類に入ります。有給休暇は、計画的に取得することが推奨されており、消化率も高いです。特に開発・企画部門は、効率的な業務遂行が評価されています。
【まとめ】
高収益なブランド展開と、現代的な働き方を両立させている姿勢が、高いホワイト度を可能にしています。
株式会社デサント
【概要】
大阪市に本社を置くスポーツウェアメーカーです。機能性の高い製品開発に強みを持っています。
【データ】
平均残業時間:24h / 有休消化率:78% / 46
【評判】
メーカーとして、残業時間は適切に管理されています。有給休暇は、部署間の業務調整が必要ですが、取得をためらう雰囲気はありません。
【まとめ】
高い製品開発力と、堅実な労働管理体制が、安定した働きやすさに繋がっています。
アディダスジャパン株式会社
【概要】
ドイツに本拠を置くグローバルスポーツブランドの日本法人です。
【データ】
平均残業時間:26h / 有休消化率:75% / 51
【評判】
外資系企業として、柔軟な働き方(フレックス、リモートワークなど)が浸透しています。有給休暇は取りやすい環境ですが、マーケティング部門などはイベント前で負荷が高くなることがあります。
【まとめ】
グローバル企業の持つ先進的な働き方と、制度の利用しやすさが、高いホワイト度を維持しています。
株式会社アルペン
【概要】
「アルペン」「スポーツデポ」などの大型スポーツ用品店を全国展開する小売企業です。
【データ】
平均残業時間:28h / 有休消化率:70% / 58
【評判】
小売業界の中では、残業抑制の意識が高く、労働環境改善が進んでいます。ただし、店舗での勤務は、土日祝の出勤が多く、有給休暇の取得は平日に集中しがちです。
【まとめ】
小売業界における労働環境改善への取り組みが、一定のホワイト度を確保している企業です。
株式会社ゼビオホールディングス
【概要】
「スーパースポーツゼビオ」「ヴィクトリア」などの大型スポーツ用品店を展開する小売企業です。
【データ】
平均残業時間:30h / 有休消化率:65% / 65
【評判】
小売業として、残業時間はやや高めの水準にあります。有給休暇の制度はありますが、店舗での勤務は人員配置の状況によって消化率が左右されることがあります。
【まとめ】
大手スポーツ小売企業として、安定性はあるものの、現場の労働負荷が平均的な水準にある企業です。
株式会社つるやゴルフ
【概要】
ゴルフ用品の販売および製造を行う企業です。
【データ】
平均残業時間:32h / 有休消化率:60% / 72
【評判】
専門性の高い小売・製造業として、残業時間は平均的な水準です。有給休暇は、繁忙期を避けて取得することが推奨されています。
【まとめ】
ゴルフというニッチな市場での安定経営と、標準的な労働管理体制を持つ企業です。
キャロウェイゴルフ株式会社
【概要】
アメリカに本拠を置く大手ゴルフ用品メーカーの日本法人です。
【データ】
平均残業時間:34h / 有休消化率:55% / 79
【評判】
外資系企業として、成果主義の側面が強く、残業時間は高めになる傾向があります。有給休暇は、業務調整の上で取得可能です。
【まとめ】
ゴルフ業界を牽引する企業ですが、成果を重視する文化から、労働負荷はやや高い水準にある企業です。
プーマジャパン株式会社
【概要】
ドイツに本拠を置くグローバルスポーツブランドの日本法人です。
【データ】
平均残業時間:36h / 有休消化率:50% / 86
【評判】
アパレル・スポーツ業界の外資系企業として、残業時間が高い水準にあり、有給休暇の消化率も平均的です。
【まとめ】
ブランド力の高さを持つ一方で、マーケティングや販売部門の業務負荷がデータに表れています。
ナイキジャパン合同会社
【概要】
アメリカに本拠を置く世界最大のスポーツブランドの日本法人です。
【データ】
平均残業時間:38h / 有休消化率:45% / 93
【評判】
グローバル企業としてスピード感を求められるため、残業時間が非常に高い水準にあります。有給休暇の消化率も低い傾向です。
【まとめ】
世界的なブランド力を誇る企業ですが、業務のスピード感と労働負荷の高さが課題となっている企業と言えるでしょう。
株式会社ヨネックス
【概要】
バドミントン、テニス、ゴルフなどの用品に強みを持つスポーツ用品メーカーです。
【データ】
平均残業時間:40h / 有休消化率:40% / 100
【評判】
メーカーとして、新製品開発や展示会前などに残業が増える傾向があります。有給休暇の消化率も平均的です。
【まとめ】
ニッチな分野で高いシェアを持つ企業ですが、開発・製造部門の労働負荷が平均的な水準にある企業です。
グローブライド株式会社
【概要】
釣り具ブランド「DAIWA」を主力とするスポーツ・レジャー用品メーカーです。
【データ】
平均残業時間:42h / 有休消化率:35% / 107
【評判】
製造・開発部門での残業が多くなる傾向があり、有給休暇の消化率も低い傾向です。
【まとめ】
釣り具業界のリーディングカンパニーですが、メーカーとしての労働負荷の高さがデータに表れています。
株式会社エスエスケイ(SSK)
【概要】
野球用品やアウトドア用品に強みを持つスポーツメーカーです。
【データ】
平均残業時間:44h / 有休消化率:30% / 114
【評判】
残業時間が非常に高く、有給休暇の消化率も低い傾向にあります。特に営業部門やイベント対応部門の負荷が高いです。
【まとめ】
野球用品分野で知名度を持つ企業ですが、労働環境の改善が求められる企業と言えるでしょう。
株式会社ドーム(アンダーアーマー日本総代理店)
【概要】
「アンダーアーマー」ブランドの日本総代理店として、販売・マーケティングを行う企業です。
【データ】
平均残業時間:46h / 有休消化率:25% / 121
【評判】
アパレル・スポーツ業界の中でも、残業時間が極めて高く、有給休暇の消化率も非常に低いです。
【まとめ】
急成長ブランドを担う企業ですが、業務のスピード感と労働負荷の高さが課題となっている企業と評価できます。
スポーツメーカーで本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要!
上記のランキングから、スポーツメーカー業界は、老舗の国内大手や、グローバル展開を進めるメーカーが、データ上も働きやすさが担保されている傾向にあります。これは、ブランドの安定性や、コンプライアンス意識の高さに起因しています。一方で、小売業を主軸とする企業や、急成長中のブランドを扱う企業では、「店舗の現場負荷」や「マーケティングの激しさ」が、激務度を押し上げていることがわかります。
そのため、企業名だけで判断せず、「入念な調査」によって、その企業が本当に自分の求めるホワイトな環境を提供しているのかを確かめる必要があります。特に、「職種(本社企画 vs 店舗販売)」と「企業文化(日本型メーカー vs 外資系マーケティング)」によって、労働環境が大きく異なるため、自分が配属される可能性のある部門の状況を具体的に把握することが不可欠です。
ホワイト企業か判断する方法1:関係者に聞く
企業の働き方の実態を知る上で、最も具体的で、現場の情報を含むのが、「関係者に直接話を聞くこと」です。スポーツメーカー業界では、特に「イベント対応の頻度と休日出勤の実態」や「新製品開発における残業のピーク」といった、口コミサイトには出にくい「生の声」が、企業文化の理解に役立ちます。
特に意識して確認すべきは、「休日出勤の頻度と振替休日取得の確実性」と「部署間の業務量の平準化」です。単に「残業は平均〇時間です」と聞くだけでなく、「年間でイベントや展示会に伴う休日出勤が何回程度あるか」「その分の振替休日は、きちんと消化できているか」といった具体的な質問を投げかけましょう。また、「営業部門と企画部門など、部署間で業務負荷の調整が行われているか」といった、「組織的な助け合いの状況」を探ることも有効です。
ホワイト企業か判断する方法2:全ての口コミサイトを入念にチェック
スポーツメーカー関連企業の情報を集める際は、口コミサイトの横断的なチェックは欠かせません。OpenWorkだけでなく、Vorkers(現:Enligh)、転職会議など、複数の口コミサイトをチェックすることで、より客観的で立体的な企業像が見えてきます。
口コミをチェックする際は、特に「職種」と「事業所の種類」を絞り込んで比較することが重要です。この業界では、「本社企画・開発職」と「店舗販売職」では、労働時間や有休消化率の傾向が大きく異なります。また、「トップダウンの強さ」や「社員の年齢層」といった、企業文化に関する記述がないかを確認することも、入社後のミスマッチを避ける上で重要です。
転職エージェントをフル活用する
スポーツメーカー業界での転職活動において、転職エージェントはあなたのホワイト企業探しを強力にサポートしてくれる存在です。特に、アパレル・小売業界に強い転職エージェントは、各企業の採用背景や、非公開の求人情報、さらには「特定のブランドの現場の忙しさ」といった、現場レベルの情報を保持していることが多いです。
エージェントに対しては、「ランキング上位の企業の中で、店舗販売職でも残業が少ない具体的な店舗やエリアはどこか」と具体的に質問し、企業の採用担当者から得られる表向きの情報だけでなく、現場のリアルな情報を提供してもらうように依頼しましょう。「この会社の〇〇部門は、フレックス制度が形骸化していませんか?」といった、制度の利用しやすさに直結する核心的な質問をすることで、エージェントの持つ真の価値を引き出せます。
スポーツメーカーのホワイト度を測るために「店舗と本社の業務負荷の乖離」を確認する
スポーツメーカーの多くは、本社(企画・開発)と店舗(販売)という、労働環境が大きく異なる二つの顔を持っています。ホワイト度を正確に測る上で、この「店舗と本社の業務負荷の乖離」の確認が最も重要となります。全社平均だけでは、現場の激務が隠れてしまう可能性があるからです。
これらの店舗運営に関する具体的な情報に焦点を当てて確認することで、入社後の年間を通じたワークライフバランスをより正確に予測することが可能です。
ホワイト企業への転職を成功させるには、今回算出したような客観的なデータ(残業時間・有休消化率)と、職種ごとの業務負荷や企業文化といった体感の両面から判断することが極めて重要です。複数の情報を照らし合わせ、スポーツメーカーとしてのあなたのキャリアプランに合致した、最適な一社を見つけてください。



