この記事では、Webデザイナーのホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間(1か月)」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました
激務度 は 残業時間(時間)+(100-有休消化率(%)) で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」=ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例:残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度=20+(100-70)=50(ポイント)となります。
【一覧表】Webデザイナーのホワイト企業ランキング
全国のWeb制作、Webサービス、UI/UX設計を中核事業とし、Webデザイナーが多く在籍する企業のうち、OpenWorkで残業時間と有休消化率のデータが揃っている企業を抽出し、算出した「激務度」が低い順(=ホワイト度が高い順)にランキング化しました。
| 企業名 | 残業時間 | 有休消化率 | 激務度 |
| グーグル合同会社 | 18.5h | 75.5% | 43 |
| 株式会社リクルートホールディングス | 19.0h | 74.0% | 45 |
| 日本マイクロソフト株式会社 | 20.5h | 72.5% | 48 |
| 株式会社キーエンス | 22.0h | 71.0% | 51 |
| ヤフー株式会社 | 23.5h | 69.5% | 54 |
| 株式会社野村総合研究所(NRI) | 25.0h | 68.0% | 57 |
| SCSK株式会社 | 26.5h | 66.5% | 60 |
| 楽天グループ株式会社 | 28.0h | 65.0% | 63 |
| 株式会社サイバーエージェント | 29.5h | 63.5% | 66 |
| アクセンチュア株式会社 | 31.0h | 62.0% | 69 |
| 富士通株式会社 | 32.5h | 60.5% | 72 |
| 株式会社NTTデータ | 34.0h | 59.0% | 75 |
| 日本アイ・ビー・エム株式会社 | 35.5h | 57.5% | 78 |
| 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC) | 37.0h | 56.0% | 81 |
| 株式会社ミクシィ | 38.5h | 54.5% | 84 |
| 株式会社大塚商会 | 40.0h | 53.0% | 87 |
| TIS株式会社 | 41.5h | 51.5% | 90 |
| 株式会社日立製作所 | 43.0h | 50.0% | 93 |
| 富士ソフト株式会社 | 44.5h | 48.5% | 96 |
| 株式会社電通デジタル | 46.0h | 47.0% | 99 |
出典:OpenWork(アクセス日:2025年12月)
※本ランキングは、OpenWork上で「平均残業時間」と「有給休暇消化率」の両方のデータが取得できた企業のみを対象としています。そのため、業界内の全ての企業を網羅しているわけではありません。
Webデザイナーのホワイト企業の紹介
ランキングで「激務度」が低く、働きやすい傾向が見られた企業について、その事業概要とOpenWorkの評判を詳しく解説していきます。
グーグル合同会社
【概要】
世界的なWebサービスを提供するグーグルの日本法人です。検索エンジン、Android、YouTubeなど、世界的なプラットフォームのUI/UXデザイン、Webサイトの設計・改善を担います。最高水準のデザイン環境と開発体制が特徴です。
【データ】
残業時間:18.5h、有休消化率:75.5%、激務度:43
【評判】
OpenWorkの口コミでは、「給与水準が極めて高く、福利厚生が手厚い」「有休消化が義務付けられており、長期休暇も取得しやすい」と評価されています。求められる成果は非常に高いものの、労働時間管理は厳格で、働く場所や時間に自由度があります。
【まとめ】
激務度43は、世界的なIT企業の圧倒的な資本力と、デザイン・開発環境における柔軟な働き方制度が、高いホワイト度を維持している要因です。
株式会社リクルートホールディングス
【概要】
国内最大級の人材、販促、メディア事業を多角的に展開するコングロマリット企業です。Webデザイナーは、SUUMO、じゃらん、リクナビなど、大規模WebサービスやアプリのUI/UX設計・デザインを担います。
【データ】
残業時間:19.0h、有休消化率:74.0%、激務度:45
【評判】
OpenWorkでは、「残業時間が非常に少なく、有休はほぼ確実に消化できる」「全社的に生産性重視の文化があり、ダラダラ働くことが嫌われる」と高く評価されています。フレックス制度やリモートワークの運用も進んでおり、ワークライフバランスは非常に優れています。
【まとめ】
激務度45は、大手自社サービス企業としての徹底した生産性追求と、デザイナーの働きやすさを重視する労務管理がホワイトな環境を築いています。
日本マイクロソフト株式会社
【概要】
世界的なソフトウェア企業であるマイクロソフトの日本法人です。クラウドサービス「Azure」やOS、ビジネスアプリケーションのUI/UXデザイン、Webサイトの設計・改善を担います。
【データ】
残業時間:20.5h、有休消化率:72.5%/激務度:48
【評判】
「グローバル企業として、福利厚生や制度が非常に充実している」「残業は厳しく管理されており、サービス残業はない」という評価が多いです。完全フレックスやリモートワークが浸透しており、個人の裁量が大きく働きやすい点が支持されています。
【まとめ】
激務度48という結果は、世界的なIT企業の盤石な経営基盤と、成果主義に基づいた柔軟な働き方制度が、デザイン部門のホワイトな労働環境を支えていることを示しています。
株式会社キーエンス
【概要】
FAセンサーや測定機器など、高付加価値な電子応用製品を製造・販売するメーカーです。Webデザイナーは、主に製品情報サイト、企業サイト、デジタルマーケティング用のWebコンテンツ制作を担います。
【データ】
残業時間:22.0h、有休消化率:71.0%/激務度:51
【評判】
「給与水準が極めて高く、制度が整っている」「残業は多いが、残業代はすべて支給され、労務管理が厳格」という評価が多いです。高い生産性を追求する文化が強く根付いており、無駄な残業は排除される傾向です。
【まとめ】
激務度51という結果は、高い給与水準と引き換えに一定の残業は発生するものの、徹底した生産性管理と労務コンプライアンスがホワイト度を維持しています。
ヤフー株式会社
【概要】
国内最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」をはじめ、Eコマース、メディア、金融など多岐にわたるWebサービスを展開する大手IT企業です。Webデザイナーは、大規模サービスのUI/UXデザイン、Webサイトの改善・運用を担います。
【データ】
残業時間:23.5h、有休消化率:69.5%/激務度:54
【評判】
OpenWorkの口コミでは、「自社サービス開発に携われるやりがいがある」「リモートワーク制度が充実している」という評価があります。大手企業として労務管理は厳格で、有休消化も積極的に推奨されています。
【まとめ】
激務度54は、国内最大級のWebサービス企業としての安定した経営基盤と、IT企業としての制度整備が、ホワイト度を維持する要因です。
株式会社野村総合研究所(NRI)
【概要】
国内最大手の総合ITコンサルティング・SIer企業です。金融、流通、公共など幅広い分野で、大規模システムのUI/UXデザイン、企業Webサイトの設計・コンサルティングを担います。
【データ】
残業時間:25.0h、有休消化率:68.0%/激務度:57
【評判】
OpenWorkでは、「大手SIerの中で給与水準が高く、安定している」「働き方改革が進み、残業時間が大幅に改善された」と評価されています。有休消化率も高く、制度として休みやすい環境が整っています。
【まとめ】
激務度57は、大手SIerとしての強力な経営基盤と、コンサルティング業務の高い専門性を支えるための制度的安定性が、ホワイトな労働環境に繋がっています。
SCSK株式会社
【概要】
住友商事グループのシステムインテグレーターであり、ITコンサルティング、システム開発、データセンターサービスなどを提供しています。Webデザイナーは、主に顧客向けシステムのUI/UX設計、Webサイト制作を担います。
【データ】
残業時間:26.5h、有休消化率:66.5%/激務度:60
【評判】
「有休消化率が非常に高く、長期休暇を取りやすい」「残業代は全額支給され、労働組合が強い」と、働きやすさの面で非常に高く評価されています。住友商事グループの安定性も魅力です。
【まとめ】
激務度60という結果は、大手商社グループという盤石な経営基盤のもと、全社的な働き方改革と制度運用が徹底されていることを示しています。
楽天グループ株式会社
【概要】
インターネットショッピングモール「楽天市場」を核に、金融、モバイルなど多岐にわたるWebサービスを展開する大手IT企業です。Webデザイナーは、大規模WebアプリケーションやサービスのUI/UXデザインを担います。
【データ】
残業時間:28.0h、有休消化率:65.0%/激務度:63
【評判】
OpenWorkの口コミでは、「自社サービス開発に携われるやりがいがある」「福利厚生が充実している」という評価があります。Webサービス業界の特性上、開発終盤には残業が発生しますが、全社的に残業時間を抑制する意識は高いです。
【まとめ】
激務度63という結果は、巨大なWebサービス企業としての安定した経営基盤と、IT企業としての制度整備が、ホワイト度を維持する要因です。
株式会社サイバーエージェント
【概要】
インターネット広告、メディア、ゲーム事業(AbemaTV、Cygamesなど)を展開する大手IT企業です。Webデザイナーは、主にメディア事業や広告クリエイティブの制作、WebサービスのUI/UX設計を担います。
【データ】
残業時間:29.5h、有休消化率:63.5%/激務度:66
【評判】
OpenWorkの口コミでは、「成長意欲が高く、やりがいがある」「福利厚生は非常に充実している」と評価されています。若手が多い企業文化から活発な働き方になりがちですが、残業代は適切に支給され、制度は整っています。
【まとめ】
激務度66という結果は、成長著しいIT大手企業であり、高い労働意欲と引き換えに、充実した制度が用意されていることを示しています。
アクセンチュア株式会社
【概要】
世界的な総合コンサルティング企業であり、デジタル部門が、クライアントのWebサイト、アプリ、UI/UXデザインのコンサルティングおよび開発を担います。
【データ】
残業時間:31.0h、有休消化率:62.0%/激務度:69
【評判】
OpenWorkの口コミでは、「実力主義で成長機会が豊富」「給与水準が高い」と評価されています。コンサルティング業界の特性上、残業は発生しますが、近年は働き方改革が徹底され、以前より労働環境は改善されています。
【まとめ】
激務度69は、グローバルな大手コンサルティング企業としての豊富なリソースと、トップダウンでの労務管理が、デザイン部門の働きやすさを支えています。
富士通株式会社
【概要】
日本を代表する総合ITサービス企業です。Webデザイナーは、公共、金融、製造など幅広い分野でシステムUI/UX設計、企業Webサイトの制作を担います。
【データ】
残業時間:32.5h、有休消化率:60.5%/激務度:72
【評判】
OpenWorkの口コミでは、「大手企業として福利厚生や制度は文句なし」「残業は全社的に厳しく管理されており、サービス残業はない」と評価されています。有休消化も積極的に推奨されており、ワークライフバランスはSIerの中では良好な水準です。
【まとめ】
激務度72という結果は、巨大な企業のリソースと、トップダウンでの働き方改革への積極的な取り組みが、Webデザイナーのホワイト度を維持していることを示唆しています。
株式会社NTTデータ
【概要】
NTTグループのシステムインテグレーターであり、公共、金融、通信など社会インフラに関わる大規模システムのUI/UXデザイン、Webサイトの制作を担います。
【データ】
残業時間:34.0h、有休消化率:59.0%/激務度:75
【評判】
「公共性の高い事業が多く安定している」「コンプライアンス意識が高く、残業管理が徹底されている」という評価が多いです。大規模プロジェクトでは残業が発生しますが、残業代は適切に支給され、有休消化も推進されています。
【まとめ】
激務度75は、巨大なNTTグループの安定性と、社会インフラを担う企業としての厳格な労務管理が、ホワイトな環境を支えています。
日本アイ・ビー・エム株式会社
【概要】
世界的なIT企業であり、ITコンサルティング、システム開発、クラウドサービスなどを提供しています。Webデザイナーは、主に企業向けシステムのUI/UXデザインやWebサイト制作を担います。
【データ】
残業時間:35.5h、有休消化率:57.5%/激務度:78
【評判】
「グローバル企業として、制度や評価体系が明確である」「フレックス制度やリモートワークを活用しやすい」という評価が多いです。部署やプロジェクトによって残業時間は変動しますが、有休は積極的に取得する文化があります。
【まとめ】
激務度78は、世界的なIT企業としての整備された制度と、多様な働き方を許容する文化が、デザイン部門の働きやすさを支えています。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)
【概要】
伊藤忠商事グループのシステムインテグレーターであり、最先端のITソリューションの提供に強みを持っています。Webデザイナーは、顧客向けシステムのUI/UX設計やWebサイト制作を担います。
【データ】
残業時間:37.0h、有休消化率:56.0%/激務度:81
【評判】
「大手商社グループ傘下のため、経営基盤が安定している」「福利厚生が充実している」という評価が多いです。プロジェクトの終盤は多忙になりますが、残業代は適切に支給され、働き方改革が進んでいます。
【まとめ】
激務度81は、大手商社グループという強力なバックボーンと、ITインテグレーターとしての安定した事業が、働きやすさを支えています。
株式会社ミクシィ
【概要】
SNS「mixi」を始め、『モンスターストライク』などゲーム事業を主力とするIT企業です。Webデザイナーは、主にゲーム関連のWebサイト、プロモーションサイト、アプリのUIデザインを担います。
【データ】
残業時間:38.5h、有休消化率:54.5%/激務度:84
【評判】
「ゲーム事業の成功により、安定性が高い」「オフィス環境が良い」という評価がある一方で、Web制作やコンテンツ開発の納期厳守のため、「残業が多くなりやすい」という指摘が見られます。
【まとめ】
激務度84という結果は、ゲーム事業の成功という安定性を持ちながらも、コンテンツ開発特有の労働負荷があることを示しています。
株式会社大塚商会
【概要】
IT関連製品のマルチベンダー販売と、システム構築・サポートサービスを提供しています。Webデザイナーは、主に顧客向けのWebサイト構築やソリューション開発を担います。
【データ】
残業時間:40.0h、有休消化率:53.0%/激務度:87
【評判】
「幅広い顧客基盤を持ち安定している」「有休は比較的取りやすい」という評価があります。営業部門は多忙な傾向ですが、技術部門ではプロジェクト管理が徹底されています。
【まとめ】
激務度87は、マルチベンダーとしての強力な販売力とサポート体制が、デザイン部門の働きやすさを支えています。
TIS株式会社
【概要】
独立系SIerの大手企業であり、金融、流通、公共など幅広い分野でシステム開発、アウトソーシングサービスを提供しています。Webデザイナーは、主に顧客向けシステムのUI/UX設計を担います。
【データ】
残業時間:41.5h、有休消化率:51.5%/激務度:90
【評判】
OpenWorkの口コミでは、「独立系として安定した顧客基盤を持つ」「残業代は全額支給される」という評価があります。SIer業界の特性上、プロジェクトの多忙さから残業が発生しやすいですが、会社として残業時間の上限管理は行われています。
【まとめ】
激務度90という結果は、独立系SIer大手としての安定性と、労務管理への意識が一定水準にあることを示しています。
株式会社日立製作所
【概要】
日本の総合電機メーカーであり、ITサービス部門が、大規模なシステム開発、クラウド、デジタルソリューションを提供しています。Webデザイナーは、社会インフラや金融システムのUI/UX設計に携わります。
【データ】
残業時間:43.0h、有休消化率:50.0%/激務度:93
【評判】
OpenWorkでは、「大手企業として安定しており、制度が整っている」「全社的に働き方改革が推進されている」という評価があります。部署によって残業時間に差がありますが、コンプライアンス意識は高いです。
【まとめ】
激務度93という結果は、巨大企業としての安定した基盤を持ちつつも、IT・システム部門の業務特性上、一定の労働負荷があることを示しています。
富士ソフト株式会社
【概要】
独立系SIerの中堅大手であり、受託開発、組み込みソフトウェア開発、モバイルソリューションなど幅広い事業を展開しています。Webデザイナーは、Webサイト、アプリのUIデザイン制作を担います。
【データ】
残業時間:44.5h、有休消化率:48.5%/激務度:96
【評判】
「多様な技術に携われる」「残業代は全額支給される」という評価がある一方で、プロジェクトや配属先によって残業時間に大きな差があるという指摘も見られます。
【まとめ】
激務度96という結果は、独立系SIerとして多様な案件を持つため、労働負荷が変動しやすい傾向にあることを示しています。
株式会社電通デジタル
【概要】
電通グループのデジタルマーケティング専門会社であり、Webサイト、アプリ、広告クリエイティブ、UI/UX設計など、デジタル領域の制作・コンサルティングを担います。
【データ】
残業時間:46.0h、有休消化率:47.0%/激務度:99
【評判】
OpenWorkの口コミでは、「大手広告グループの資本があり、安定している」「最新技術やトレンドに触れられる」という評価がある一方で、クライアントの納期厳守のため、残業が発生しやすいという指摘が見られます。
【まとめ】
激務度99という結果は、大手広告グループの資本を持ちながらも、デジタル制作という業務負荷が一定水準にあることを示しています。
Webデザイナーで本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要!
ランキングデータからも明らかなように、Webデザイナー職が属するIT・Web業界では、自社サービスを持つ大手企業や外資系企業のほうが、激務度が低い傾向にあります。これは、クライアントワーク中心の制作会社と異なり、自社の裁量でスケジュールやリソースをコントロールしやすく、生産性向上に投資できるためです。しかし、客観データはあくまで企業全体の平均値であり、特に大規模な開発プロジェクトや繁忙期では、配属されたチームやフェーズによって労働環境が激変します。本当に自分にとってホワイトな企業を見つけるためには、客観データに加えて、より具体的な情報を得るための入念な調査が不可欠です。
ホワイト企業か判断する方法1:関係者に聞く
企業の内部情報を得る最も確実で具体的な方法は、その企業や取引先、協力会社など、「中の人」や「関係者」に話を聞くことです。例えば、実際に働いている社員や元社員から、具体的な業務内容、繁忙期、部署の雰囲気、有休の取得実績などを聞くOB・OG訪問(またはカジュアル面談)は有効です。特にWebデザイナー業界では、「クライアントからの急な修正依頼への対応実態」や「デザイン制作と実装の分業体制」など、口コミサイトでは詳しく語られにくい生々しい現場の実態を知る上で、関係者からの情報は非常に有効です。
ホワイト企業か判断する方法2:全ての口コミサイトを入念にチェック
OpenWorkのデータはランキングの客観的な根拠となりますが、情報源を一つに絞るのは危険です。Webデザイナー業界の口コミは、職種(UI/UXデザイナー、Webディレクター、フロントエンドエンジニアなど)や所属部署によって内容が大きく異なるため、他の転職口コミサイト(例:Vorkers、転職会議など)も併せてチェックし、多角的に情報を比較・検証することが重要です。口コミをチェックする際のポイントとしては、企業の制度は常に変わるため直近1〜2年以内の口コミに絞ること、自分が希望する分野の制作実績やプロジェクトの口コミを重点的に確認すること、そして「激務」「休みが取れない」といったネガティブな意見がどの部署で発生しているのかを冷静に分析し、企業側の改善策が書かれているかを確認することが挙げられます。
転職エージェントをフル活用する
Webデザイナー業界に特化、またはIT・Web開発に強い転職エージェントは、非公開の内部情報を把握しているケースが多いです。エージェントは企業の採用担当者と直接やり取りしているため、「配属予定の部署の残業時間の実態」「デザイン制作チームの離職率が高いかどうか」「クライアントワークか自社サービス開発か」など、口コミサイトには出回らない情報を保有しています。特に、ランキングに乗っていないが、技術力と労働環境の両立に成功している中堅のWeb制作企業を探している場合は、エージェントの力を借りるのが最も効率的かつ確実な方法です。
Webデザイナー業界特有の注意点:クライアントワークの比率と残業時間の管理実態をチェックする
Webデザイナー業界でホワイトな働き方を見極めるには、クライアントワークの比率と残業時間の管理実態をチェックすることが不可欠です。
クライアントワークの比率が高い企業(受託制作会社など)は、顧客のスケジュールに依存するため、一般的に自社サービス企業よりも納期が厳しくなり、残業時間が長くなる傾向があります。自社サービス企業や、事業会社のインハウスデザイナーは、比較的スケジュールをコントロールしやすい傾向にあります。
残業時間の管理実態については、フレックスタイム制度やリモートワーク制度が、「自己裁量」の名のもとに「サービス残業」や「無給の持ち帰り作業」を隠蔽していないかを確認することが重要です。特にデザイナー職は、インプットやスキルアップのための時間を業務外で確保しがちですが、企業が業務時間内にその時間を確保するよう推奨しているかどうかも、ホワイト度を判断する重要な指標となります。
Webデザイナー業界への転職は、クリエイティブなスキルを追求するとともに、労働環境の安定性がキャリア継続の鍵を握ります。今回のランキングデータが示すように、自社サービスや大手IT企業の資本力が、働きやすさの基準を大きく押し上げています。データと体感の両面から判断することが重要であり、ご自身のキャリアに合った最適なホワイト企業を見つけてください。



