この記事では、横浜のホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間（1か月）」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました
激務度 は 残業時間（時間）＋（100－有休消化率（%）） で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」＝ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例：残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度＝20＋(100－70)=50（ポイント）となります。
【一覧表】横浜のホワイト企業ランキング
横浜に本社を構える、あるいは大規模な拠点を置く各業界の代表企業のうち、残業時間と有休消化率の双方が取得可能な30社を、激務度の低い順（ホワイト度が高い順）に一覧化しました。
| 企業名 | 残業時間 | 有休消化率 | 激務度 |
| 株式会社ファンケル | 13.5h | 82.5% | 31 |
| 株式会社ソシオネクスト | 15.2h | 81.3% | 34 |
| 株式会社村田製作所（みなとみらい等） | 18.4h | 82.1% | 36 |
| 千代田化工建設株式会社 | 21.3h | 85.0% | 36 |
| 株式会社図研 | 19.5h | 80.4% | 39 |
| 日産自動車株式会社 | 20.8h | 79.2% | 42 |
| ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 22.4h | 80.1% | 42 |
| 株式会社マクニカ | 23.5h | 78.5% | 45 |
| 東京ガス株式会社（横浜支社等） | 24.1h | 79.3% | 45 |
| アズビル株式会社（藤沢・横浜） | 22.8h | 76.5% | 46 |
| JFEエンジニアリング株式会社 | 25.4h | 78.2% | 47 |
| 株式会社ノジマ | 24.5h | 74.3% | 50 |
| コーエーテクモホールディングス株式会社 | 23.9h | 72.1% | 52 |
| 日本発条株式会社（ニッパツ） | 28.2h | 75.8% | 52 |
| 京浜急行電鉄株式会社 | 26.5h | 73.4% | 53 |
| 株式会社相鉄ホールディングス | 27.1h | 72.5% | 55 |
| 富士通株式会社（川崎・横浜拠点） | 31.2h | 76.0% | 55 |
| 株式会社オカムラ | 25.8h | 70.1% | 56 |
| 株式会社ピーシーデポコーポレーション | 28.5h | 72.3% | 56 |
| 三菱重工業株式会社（横浜製作所等） | 30.5h | 73.1% | 57 |
| 日揮ホールディングス株式会社 | 32.4h | 72.5% | 60 |
| 株式会社大林組（横浜支店等） | 29.8h | 68.4% | 61 |
| 株式会社アイネット | 21.0h | 58.5% | 63 |
| 株式会社ユニ・チャーム（横浜支店等） | 34.2h | 70.5% | 64 |
| いすゞ自動車株式会社 | 31.5h | 65.2% | 66 |
| 横浜ゴム株式会社 | 38.5h | 71.0% | 68 |
| キャノン株式会社（横浜事業所等） | 28.4h | 60.1% | 68 |
| 株式会社コロワイド | 36.4h | 65.5% | 71 |
| 富士ソフト株式会社 | 35.8h | 63.2% | 73 |
| 株式会社コナカ | 32.5h | 54.5% | 78 |
出典：OpenWork（アクセス日：2025年12月時点）
※本ランキングは、OpenWork上で「平均残業時間」と「有給休暇消化率」の両方のデータが取得できた企業のみを対象としています。そのため、業界内の全ての企業を網羅しているわけではありません。
横浜ホワイト企業の紹介
ランキング上位の企業および注目すべき横浜拠点の企業の働き方の実態について、詳細に解説します。
株式会社ファンケル
- 【概要】 無添加化粧品や健康食品の製造・販売を手掛けるメーカー。横浜市中区の本社を中心に、誠実なものづくりと人間尊重の経営を掲げています。
- 【データ】 残業時間：13.5h ／ 有休消化率：82.5% ／ 激務度：31
- 【評判】 「残業を抑制する文化が現場まで浸透している」との声が多く、ワークライフバランスの満足度は極めて高いです。女性の育休取得・復職率も高く、長期的なキャリア形成に適した環境です。
- 【まとめ】 化粧品業界特有の穏やかな社風と、横浜を代表する優良企業としての徹底した労務管理が最高水準のホワイト環境を実現しています。
株式会社ソシオネクスト
- 【概要】 富士通とパナソニックの半導体事業が統合して誕生したSoC（System on Chip）の設計開発企業。横浜市港北区の新横浜に拠点を構えます。
- 【データ】 残業時間：15.2h ／ 有休消化率：81.3% ／ 激務度：34
- 【評判】 設計開発中心の業務でありながら、フレックス制度やリモートワークの活用が非常に盛んです。個人の裁量が大きく、不必要な残業を強いる文化がないことが高く評価されています。
- 【まとめ】 高度な専門技術を追求しつつ、個人のライフスタイルを尊重する合理的な働き方が定着しているテック企業です。
株式会社村田製作所
- 【概要】 電子部品で世界トップシェアを誇るメーカー。みなとみらい地区に大規模な研究開発拠点を擁し、横浜での存在感を高めています。
- 【データ】 残業時間：18.4h ／ 有休消化率：82.1% ／ 激務度：36
- 【評判】 堅実な社風で、有休取得を推奨する雰囲気が全社的にあります。「みなとみらい拠点」は環境も良く、仕事とリフレッシュのメリハリをつけやすいという口コミが目立ちます。
- 【まとめ】 圧倒的な経営基盤が従業員の心理的・時間的余裕を生んでおり、製造業における働き方改革のモデルケースと言えます。
千代田化工建設株式会社
- 【概要】 総合エンジニアリング大手。みなとみらいに本社を構え、エネルギー分野の巨大プロジェクトを世界中で展開しています。
- 【データ】 残業時間：21.3h ／ 有休消化率：85.0% ／ 激務度：36
- 【評判】 以前はハードワークなイメージもありましたが、現在は有休消化率が極めて高く、福利厚生も他社を圧倒する水準です。エンジニアに対する労務管理が非常に真面目に行われています。
- 【まとめ】 大規模プロジェクトに携わるやりがいを維持しながら、休みもしっかりと確保できる極めてバランスの良い環境です。
株式会社図研
- 【概要】 設計製造支援システム（EDA）の開発・販売。都筑区に本社を置き、製造業の設計環境を支えるニッチトップ企業です。
- 【データ】 残業時間：19.5h ／ 有休消化率：80.4% ／ 激務度：39
- 【評判】 自社製品開発が主体のため、納期を一定程度コントロールしやすく、突発的な激務が少ないのが特徴です。有休の取得に関しても上司の理解が深いという声が多く見られます。
- 【まとめ】 BtoBの安定した収益構造が、従業員への余裕ある制度運用に繋がっている隠れたホワイト企業です。
日産自動車株式会社
- 【概要】 横浜市西区に本社を置く、世界的な自動車メーカー。グローバルな働き方を推進しており、ダイバーシティに富んだ組織です。
- 【データ】 残業時間：20.8h ／ 有休消化率：79.2% ／ 激務度：42
- 【評判】 「スーパーフレックス」制度が導入されており、コアタイムなしの自由な働き方が可能です。残業時間は全社的に厳しく制限されており、管理職の意識も高いとのクチコミが多いです。
- 【まとめ】 日本屈指の巨大企業でありながら、外資系の合理性と柔軟さを兼ね備えた、働きやすさの基準が極めて高い企業です。
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
- 【概要】 画像センサーで世界首位。厚木や横浜に拠点を持ち、最先端のセンシング技術を開発しています。
- 【データ】 残業時間：22.4h ／ 有休消化率：80.1% ／ 激務度：42
- 【評判】 自由闊達なソニーイズムが継承されており、クリエイティビティを発揮するために「休むこと」が重要視されています。裁量労働制の運用も適切で、自己管理が徹底されています。
- 【まとめ】 圧倒的な収益力があるため、従業員への還元や環境投資に余裕があり、技術者にとって理想的なホワイト環境が保たれています。
株式会社マクニカ
- 【概要】 半導体やネットワーク・サイバーセキュリティの専門商社。港北区新横浜に本社を置き、急成長を続けています。
- 【データ】 残業時間：23.5h ／ 有休消化率：78.5% ／ 激務度：45
- 【評判】 商社でありながら、ワークライフバランスを重視する社風へ近年大きく舵を切りました。成長企業らしい活気はありますが、制度としての休みやすさはクチコミでも高く評価されています。
- 【まとめ】 勢いのある事業展開と、上場企業としての整備された労務環境を両立させたい層に最適な選択肢です。
東京ガス株式会社
- 【概要】 エネルギーインフラの最大手。横浜エリアにも大規模な支社や関連施設を擁し、地域に密着した安定性があります。
- 【データ】 残業時間：24.1h ／ 有休消化率：79.3% ／ 激務度：45
- 【評判】 公共性が高い企業ゆえに、法令遵守意識は異常なほど高いです。サービス残業は皆無で、福利厚生も日本最高峰のレベル。穏やかで真面目な社員が多いことで知られています。
- 【まとめ】 圧倒的な雇用安定性と、無理のない就業スケジュールを求めるなら、これ以上の環境は類を見ません。
アズビル株式会社
- 【概要】 建物の空調制御や工場オートメーションを手掛けるメーカー。藤沢や横浜に拠点を構えています。
- 【データ】 残業時間：22.8h ／ 有休消化率：76.5% ／ 激務度：46
- 【評判】 「働き方改革」への本気度が高く、年間の有休取得目標が厳格に管理されています。残業代も1分単位で支給され、コンプライアンス意識が非常に強い企業です。
- 【まとめ】 BtoBメーカーとしての堅実さが労働環境の質に直結しており、長く安心して働き続けられる優良企業です。
横浜で本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要！
横浜エリアは、都心に本社を置く企業の「開発拠点」や「工場」も多いため、同じ社名であっても「本社機能」と「開発・製造現場」で労働環境が劇的に異なることが一般的です。
例えば、ランキングに名を連ねる大手メーカーでも、企画・管理部門は非常にホワイトですが、納期直前の設計部門や、トラブル対応が発生する現業部門では、平均値を大幅に上回る残業が発生しているケースもあります。そのため、企業全体の数値だけでなく、「横浜にあるどの部門・どの職種か」という視点での詳細な調査が必要不可欠です。
ホワイト企業か判断する方法１：関係者に聞く
もっとも確実な方法は、その企業で実際に横浜拠点で働いている「中の人」の声を聞くことです。横浜は職住近接のエンジニアや会社員が多いため、地域のコミュニティやSNSを通じて関係者を見つけることは比較的容易です。
以下の点を確認してみましょう。
- 「みなとみらいや新横浜の拠点は、本社の方針通りに有休が取れているか」
- 「PCの持ち出しや、帰宅後のメール対応が常態化していないか」
- 「地域限定職としての採用でも、福利厚生に格差はないか」
数値化されない「現場の空気感」は、関係者の言葉からしか読み取れません。
ホワイト企業か判断する方法２：全ての口コミサイトを入念にチェック
OpenWorkだけでなく、転職会議やLighthouse、キャリコネなど、複数の口コミサイトを横断的に確認してください。その際、横浜特有のキーワード（例：新横浜、みなとみらい、鶴見工場等）で検索し、拠点ごとのクチコミを抽出するのがコツです。
チェックすべきは、「不満の内容が個人の主観によるものか、それとも組織構造の欠陥によるものか」です。「残業代が出ない」といった制度的欠陥に関する書き込みが直近1年以内にないか、細心の注意を払って精査しましょう。
転職エージェントをフル活用する
横浜のホワイト企業は、公募すると応募が殺到するため、「非公開求人」としてエージェント経由でのみ募集されることが多々あります。また、地域に強いエージェントは、企業の採用担当者と直接やり取りしているため、「現在のみなとみらいオフィスの離職率」や「実際の平均退社時間」といった、一般には出回らない情報を保有しています。
エージェントを活用することで、あなたのライフプランに合わせた「職住近接」かつ「ホワイトな環境」という、わがままな条件に合致する企業を効率的に引き出すことが可能になります。
横浜エリア特有の「みなとみらい・新横浜・都筑」の拠点文化を知る
横浜のホワイト企業選びで追加の重要ポイントは、「拠点が位置するエリアの文化」です。
みなとみらい地区に拠点を置く企業は、ITや研究開発部門が多く、自由で先進的な働き方を志向する傾向があります。一方で、新横浜エリアは半導体やハイテク機器などの企業が集中しており、合理的ながらも実利的な働き方が好まれます。また、都筑区や鶴見区に多い「製造・物流拠点」では、現場主導の堅実な文化が色濃く残っています。
自分が求めるホワイトさ（「自由度」なのか「制度の堅実さ」なのか）が、その拠点の文化とマッチしているかを確認することが、入社後の満足度を最大化させる鍵となります。
横浜での転職を成功させるためには、データと現場の実態の両面から判断することが重要です。日産やファンケルのように、経営基盤と働き方改革の両面で優れた結果を出している企業は、長期的なキャリア形成に最適な選択肢となります。
今回ご紹介した「激務度」ランキングを羅針盤にしつつ、エージェントや関係者の情報で現場の解像度を高め、あなたにとって最高のホワイト環境を手に入れてください。
