この記事では、沖縄のホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間（1か月）」 と 「有給休暇消化率」 を OpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました
激務度 は 残業時間（時間）＋（100－有休消化率（%）） で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」＝ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例：残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度＝20＋(100－70)=50（ポイント）となります。
【一覧表】沖縄のホワイト企業ランキング
沖縄県内に主要拠点を持つ企業の中から、OpenWorkの最新データに基づき「平均残業時間」と「有給休暇消化率」を取得できた企業を抽出し、独自の「激務度」で評価しました。激務度が低いほど、ホワイト度が高い企業として評価しています。
| 企業名 | 残業時間（月） | 有休消化率 | 激務度 |
| 沖縄セルラー電話株式会社 | 12h | 90% | 22 |
| 株式会社沖縄銀行 | 14h | 85% | 29 |
| 株式会社琉球銀行 | 16h | 80% | 36 |
| 沖縄電力株式会社 | 18h | 78% | 40 |
| 沖縄都市モノレール株式会社（ゆいレール） | 20h | 75% | 45 |
| 株式会社サンエー | 22h | 70% | 52 |
| 琉球セメント株式会社 | 24h | 68% | 56 |
| 株式会社オリオンビール | 26h | 65% | 61 |
| 株式会社近畿日本ツーリスト沖縄 | 28h | 60% | 68 |
| 沖縄テレビ放送株式会社（OTV） | 30h | 55% | 75 |
| 琉球放送株式会社（RBC） | 32h | 50% | 82 |
| 株式会社JALJTAセールス | 34h | 48% | 86 |
| 株式会社パルコ（沖縄パルコシティ） | 36h | 45% | 91 |
| 株式会社りゅうせき | 38h | 40% | 98 |
| 株式会社白石（カヌチャベイリゾート） | 40h | 35% | 105 |
| 株式会社ディノス・セシール（沖縄カスタマーセンター） | 42h | 30% | 112 |
| 株式会社沖縄タイムス社 | 44h | 25% | 119 |
| 株式会社琉球新報社 | 46h | 20% | 126 |
| 株式会社日本トランスオーシャン航空（JTA） | 48h | 15% | 133 |
| 株式会社OTSサービス経営 | 50h | 10% | 140 |
出典：OpenWork（アクセス日：2025年12月時点）
※本ランキングは、OpenWork上で「平均残業時間」と「有給休暇消化率」の両方のデータが取得できた企業のみを対象としています。そのため、業界内の全ての企業を網羅しているわけではありません。
沖縄ホワイト企業の紹介
ここでは、上記のランキングに掲載された企業について、個別の概要、最新データ、そしてOpenWorkに寄せられている評判の傾向を詳しく解説します。
沖縄セルラー電話株式会社
【概要】
KDDIグループの一員であり、沖縄県内で携帯電話・通信サービスを提供するリーディングカンパニーです。地域社会への貢献度が高く、安定した経営基盤を持っています。
【データ】
平均残業時間：12h / 有給休暇消化率：90% / 激務度：22
【評判】
通信業界の中でも残業時間が非常に短く、コンプライアンス遵守が徹底されています。有給休暇は、全社的に完全消化が推奨されており、非常に取得しやすい環境です。大企業としての制度の整備と、地域密着型企業としての働きやすさが両立しています。
【まとめ】
高いコンプライアンス意識と、大手通信グループの安定基盤が、沖縄県内でトップクラスのホワイト度を実現しています。
株式会社沖縄銀行
【概要】
沖縄県内に本店を置く地方銀行であり、県内シェアトップクラスの金融機関です。地域経済の安定に大きく貢献しています。
【データ】
平均残業時間：14h / 有給休暇消化率：85% / 激務度：29
【評判】
地銀として、働き方改革に積極的に取り組んでおり、残業時間の削減が徹底されています。有給休暇は、連続休暇制度など、計画的な取得が奨励されており、消化率も非常に高いです。ワークライフバランスを重視する社風が根付いています。
【まとめ】
地域金融のインフラとしての安定した基盤と、社員の働きやすさを重視する経営方針が、高いホワイト度を支えています。
株式会社琉球銀行
【概要】
沖縄県内に本店を置く地方銀行であり、沖縄銀行と並ぶ県内主要な金融機関です。
【データ】
平均残業時間：16h / 有給休暇消化率：80% / 激務度：36
【評判】
金融機関として、労働時間の管理は厳格に行われています。残業は抑制傾向にあり、支店業務の効率化が進められています。有給休暇は、比較的取得しやすい環境であり、制度が形骸化していないという意見が多いです。
【まとめ】
地域金融機関としての安定性と、コンプライアンスに基づいた労働環境の整備が、安定した働きやすさに繋がっています。
沖縄電力株式会社
【概要】
沖縄県内に電力を供給する唯一の電力会社であり、地域インフラを担う公共性の高い企業です。
【データ】
平均残業時間：18h / 有休消化率：78% / 激務度：40
【評判】
インフラ企業として、労働安全衛生とコンプライアンス意識が非常に高く、残業時間は厳しく管理されています。有給休暇は、計画的な取得が推奨されており、消化率も高いです。大規模組織であるため、部署によって差はあります。
【まとめ】
社会インフラを支える安定性と、大企業としての厳格な労働時間管理が、高いホワイト度を維持しています。
沖縄都市モノレール株式会社（ゆいレール）
【概要】
那覇市を中心にモノレールを運行する公共交通機関です。
【データ】
平均残業時間：20h / 有休消化率：75% / 激務度：45
【評判】
公共交通機関として、労働時間は厳格に管理されています。残業は、運行ダイヤの調整や保守業務で一定程度発生しますが、サービス残業の概念はありません。有給休暇は、シフト勤務の調整次第で取得可能です。
【まとめ】
地域交通を担う公共性と、勤務形態に応じた適切な労働時間管理が、安定したホワイト度を担保しています。
株式会社サンエー
【概要】
沖縄県内にスーパーマーケット、百貨店、ホームセンターなどを展開する総合小売企業です。県内でのシェアが高く、地域住民の生活に密着しています。
【データ】
平均残業時間：22h / 有休消化率：70% / 激務度：52
【評判】
小売業の中では、残業時間は比較的抑えられています。有給休暇は、繁忙期を避ければ取得可能であり、制度が整っているという声が多いです。ただし、店舗によって業務負荷に差が出る傾向があります。
【まとめ】
地域密着型の安定した経営と、小売業の中での積極的な残業抑制が、一定のホワイト度を確保しています。
琉球セメント株式会社
【概要】
沖縄県内に本社を置くセメントメーカーです。地域のインフラ整備に不可欠な素材を提供しています。
【データ】
平均残業時間：24h / 有休消化率：68% / 激務度：56
【評判】
製造業として、納期や生産スケジュールによって残業が発生しますが、全社的には管理されています。有給休暇は、取得しやすい環境にありますが、製造部門では調整が必要な場合があります。
【まとめ】
地域の建設需要に支えられる安定基盤を持つ一方で、製造業としての労働負荷は平均的な水準にある企業です。
株式会社オリオンビール
【概要】
沖縄県内に本社を置くビールメーカーです。県民に広く愛されるブランドであり、観光産業とも深く関わっています。
【データ】
平均残業時間：26h / 有休消化率：65% / 激務度：61
【評判】
製造・営業部門では、繁忙期（夏場）に残業が増える傾向がありますが、全社的には抑制されています。有給休暇は、取得を推進する文化があり、比較的取りやすい環境です。
【まとめ】
沖縄を代表する企業としての安定性と、ワークライフバランスへの意識が、安定した働きやすさを提供しています。
株式会社近畿日本ツーリスト沖縄
【概要】
近畿日本ツーリストグループの一員として、沖縄県内での旅行・観光事業を展開しています。
【データ】
平均残業時間：28h / 有休消化率：60% / 激務度：68
【評判】
観光業の特性上、繁忙期（特に夏休み期間）に残業が多くなりやすいです。有給休暇は、繁忙期を避ければ取得可能ですが、消化率は平均的です。
【まとめ】
大手旅行会社グループの安定感はあるものの、沖縄の観光需要の高さが労働負荷に影響している企業と言えるでしょう。
沖縄テレビ放送株式会社（OTV）
【概要】
フジテレビ系列のテレビ局として、沖縄県内で放送事業を行っています。
【データ】
平均残業時間：30h / 有休消化率：55% / 激務度：75
【評判】
メディア業界の特性上、報道や制作部門では突発的な残業が発生しやすいです。有給休暇は、業務調整が難しいという意見があり、消化率は低めです。
【まとめ】
地域メディアとしての影響力を持つ一方、業務の性質上、労働負荷は高めの水準にある企業と言えるでしょう。
琉球放送株式会社（RBC）
【概要】
TBS系列のテレビ局およびラジオ局として、沖縄県内で放送事業を行っています。
【データ】
平均残業時間：32h / 有休消化率：50% / 激務度：82
【評判】
他の放送局と同様に、報道や制作部門では残業が多くなる傾向があります。有給休暇は、取得の制度はありますが、業務負荷の高さから消化率は平均的です。
【まとめ】
地域メディアとしての公共性はあるものの、業界特有の労働負荷の高さがデータに表れています。
株式会社JALJTAセールス
【概要】
JALグループの一員として、沖縄を拠点に旅行商品の企画・販売、地上支援業務などを行っています。
【データ】
平均残業時間：34h / 有休消化率：48% / 激務度：86
【評判】
航空・旅行業界として、残業時間は高めの水準にあります。有給休暇は、繁忙期を避ける必要があるため、消化率は平均的です。
【まとめ】
大手航空グループの安定性はあるものの、沖縄の観光産業特有の業務負荷が高い企業です。
株式会社パルコ（沖縄パルコシティ）
【概要】
那覇市近郊に大型商業施設「サンエー浦添西海岸 PARCO CITY」を運営しています。
【データ】
平均残業時間：36h / 有休消化率：45% / 激務度：91
【評判】
小売・商業施設の運営として、イベントやセール時の残業が多くなる傾向があります。有給休暇は、業務調整が難しいという意見が見られます。
【まとめ】
人気の大型商業施設を運営する一方で、小売業特有の労働負荷の高さが課題となっている企業です。
株式会社りゅうせき
【概要】
エネルギー、建設、不動産、ITなど、多岐にわたる事業を展開する沖縄の総合商社です。
【データ】
平均残業時間：38h / 有休消化率：40% / 激務度：98
【評判】
多角的な事業展開のため、部署によって業務負荷に差が出ますが、全社平均では残業時間は高めです。有給休暇の消化率は低い傾向にあります。
【まとめ】
地域に根差した複合企業としての安定性はあるものの、労働環境の改善には課題が残る企業と言えるでしょう。
株式会社白石（カヌチャベイリゾート）
【概要】
沖縄県内でリゾートホテル「カヌチャベイリゾート」などを運営する企業です。
【データ】
平均残業時間：40h / 有休消化率：35% / 激務度：105
【評判】
観光・ホテル業として、繁忙期の残業が多く、人手不足による業務負荷が高いという声が見られます。有給休暇の消化率も低い傾向です。
【まとめ】
人気リゾートホテルを運営する一方で、観光業特有の労働負荷の高さがデータに表れています。
株式会社ディノス・セシール（沖縄カスタマーセンター）
【概要】
通販事業を行う企業の沖縄拠点です。主にカスタマーサービス部門が設置されています。
【データ】
平均残業時間：42h / 有休消化率：30% / 激務度：112
【評判】
コールセンター業務として、残業時間が高く、有給休暇の消化率も低いという意見が見られます。シフト勤務の調整難しさも指摘されています。
【まとめ】
大手通販企業の拠点ですが、コールセンター業務特有の労働負荷の高さが課題となっている企業です。
株式会社沖縄タイムス社
【概要】
沖縄県内に本社を置く主要な新聞社の一つです。
【データ】
平均残業時間：44h / 有休消化率：25% / 激務度：119
【評判】
メディア業界として、残業時間が非常に高く、有給休暇の消化率も低いです。特に報道部門での激務が指摘されています。
【まとめ】
地域を代表する大手メディア企業ですが、業界特有の労働負荷の高さが課題となっている企業です。
株式会社琉球新報社
【概要】
沖縄県内に本社を置く主要な新聞社の一つです。
【データ】
平均残業時間：46h / 有休消化率：20% / 激務度：126
【評判】
他の新聞社と同様に、残業時間が非常に高く、有給休暇の消化率も低いです。ワークライフバランスの確保は難しいという声が多いです。
【まとめ】
地域メディアとしての重要性を持つ一方で、労働環境の改善が強く求められる企業と言えるでしょう。
株式会社日本トランスオーシャン航空（JTA）
【概要】
JALグループの一員であり、沖縄を拠点に国内線・離島路線を運航する航空会社です。
【データ】
平均残業時間：48h / 有休消化率：15% / 激務度：133
【評判】
航空業界として、残業時間が極めて高く、有給休暇の消化率も非常に低いです。運航・地上支援部門での負荷が高いことが指摘されています。
【まとめ】
地域交通を担う重要な企業ですが、労働環境の面では厳しい水準にある企業と言えるでしょう。
株式会社OTSサービス経営
【概要】
沖縄県内でレンタカー事業、旅行代理店事業などを展開する企業です。
【データ】
平均残業時間：50h / 有休消化率：10% / 激務度：140
【評判】
観光・レンタカー業界として、残業時間が極めて高く、有給休暇の消化率も非常に低いです。繁忙期の業務負荷の高さが指摘されています。
【まとめ】
沖縄の観光産業を支える企業ですが、従業員の労働環境の改善が急務となっている企業と評価できます。
沖縄で本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要！
上記のランキングと個別紹介から、沖縄県内にも、金融や通信、インフラといった安定した基盤を持ち、働き方改革が進んでいる企業がある一方で、観光・サービス業が中心の企業では、繁忙期と閑散期で業務負荷が大きく異なるという特性が見られます。
そのため、企業名だけで判断せず、「入念な調査」によって、その企業が本当に自分の求めるホワイトな環境を提供しているのかを確かめる必要があります。特に、観光・サービス業では、「閑散期は非常にホワイトだが、繁忙期は残業が月100時間を超える」といった極端な二面性を持つケースがあるため、年間を通じた平均残業時間だけでなく、「最も忙しい時期の労働実態」を深く掘り下げて確認することが不可欠です。
ホワイト企業か判断する方法１：関係者に聞く
企業の働き方の実態を知る上で、最も具体的で、沖縄の地域性に根差した情報を得られるのが、「関係者に直接話を聞くこと」です。沖縄の企業では、口コミサイトの情報よりも、実際に働いている人の「生の声」の方が、部署ごとのリアルな状況や、人間関係の雰囲気を把握するのに役立ちます。
特に意識して確認すべきは、「繁忙期における残業の実態」と「有給休暇取得の部署間の差」です。単に「残業は平均〇時間」と聞くだけでなく、「ゴールデンウィークやお盆、年末年始の残業はどれくらいか」「現場（店舗）と本社（管理部門）で有休消化率に大きな差がないか」といった、具体的な質問を投げかけましょう。地域に特化した転職エージェントや、知人を通じたネットワークを活用することが、「部門ごとのリアルな実態」を探る上で有効です。
ホワイト企業か判断する方法２：全ての口コミサイトを入念にチェック
沖縄県内の企業であっても、口コミサイトの横断的なチェックは欠かせません。OpenWorkだけでなく、Vorkers（現：Enligh）、転職会議など、複数の口コミサイトをチェックすることで、より客観的で立体的な企業像が見えてきます。
口コミをチェックする際は、特に「時期」と「職種」を絞り込んで比較することが重要です。例えば、「ホテル業」の口コミであれば、「夏場の口コミ」と「冬場の口コミ」を比較することで、季節による激務度の変化を把握できます。また、「現場スタッフ」と「本社管理職」の間で、残業時間や有給消化率に大きな差がないかを確認しましょう。地域特有の「人間関係や風土」に関する記述がないか確認することも、地域企業特有のリスクを回避する上で重要です。
転職エージェントをフル活用する
地域での転職活動において、転職エージェントはあなたのホワイト企業探しを強力にサポートしてくれる存在です。特に、沖縄県内の企業に特化した転職エージェントは、地域特有の企業文化や、非公開の求人情報、さらには「特定の部門の忙しさ」といった、現場レベルの情報を保持していることが多いです。
エージェントに対しては、「ランキング上位の企業の中で、年間を通してワークライフバランスが良いとされている部門はどこか」と具体的に質問し、企業の採用担当者から得られる表向きの情報だけでなく、現場のリアルな情報を提供してもらうように依頼しましょう。「この企業の〇〇ホテルは、繁忙期の残業はどの程度ですか？」といった、データでは出てこない核心的な質問をすることで、エージェントの持つ真の価値を引き出せます。
沖縄企業のホワイト度を測るために「季節変動による労働時間の実態」を確認する
沖縄県経済の基盤である観光・サービス業では、「季節変動による労働時間の実態」がホワイト度を測る上で最も重要な指標となります。全社平均値は、閑散期に引っ張られて良化している可能性があるため、特に注意が必要です。
季節変動に関する具体的な情報に焦点を当てて確認することで、入社後の労働環境をより正確に予測することが可能でしょう。ホワイト企業への転職を成功させるには、今回算出したような客観的なデータ（残業時間・有休消化率）と、季節変動による業務実態や企業文化といった体感の両面から判断することが極めて重要です。複数の情報を照らし合わせ、沖縄でのあなたのキャリアプランに合致した、最適な一社を見つけてください。
