この記事では、札幌のホワイト企業ランキングを、平均残業時間と有給消化率の2指標から算出した「激務度」で比較・紹介します。
そこで今回は各社の 「平均残業時間(1か月)」 と 「有給休暇消化率」 をOpenWork掲載の最新データに基づいて調査しました。
激務度 は 残業時間(時間)+(100-有休消化率(%)) で算出しており、値が低いほど「残業が少なく有休消化率が高い」=ホワイト度が高い企業です。
※激務度算出例:残業20時間・有休消化率70%の場合 → 激務度=20+(100-70)=50(ポイント)となります。
【一覧表】タンクローリーのホワイト企業ランキング
全国のタンクローリー関連企業のうち、OpenWorkで残業時間と有休消化率のデータが揃っている企業を抽出し、算出した「激務度」が低い順(=ホワイト度が高い順)にランキング化しました。
| 企業名 | 残業時間 | 有休消化率 | 激務度 |
| 日本石油輸送株式会社 | 17.5h | 65.4% | 52 |
| 日本通運株式会社 | 19.8h | 61.0% | 59 |
| 鴻池運輸株式会社 | 25.1h | 60.5% | 65 |
| センコーグループホールディングス株式会社 | 23.3h | 54.1% | 69 |
| 上組 | 25.7h | 54.0% | 72 |
| 鈴与株式会社 | 25.6h | 49.3% | 76 |
(出典:OpenWorkの公開データを基に独自算出 ※2025年12月時点)
※タンクローリー業界は、その事業の特性上、データが特定のプラットフォームに集積しにくい傾向があり、客観データ(残業時間・有休消化率)が両方揃った企業は上記に留まりました。ただし、上記企業は危険物・高圧ガス等の輸送を主力事業または主要な事業領域として展開しており、業界内での働きやすさの参考指標として非常に価値が高いといえます。
タンクローリーホワイト企業の紹介
ランキングで「激務度」が低く、働きやすい傾向が見られた企業について、その事業概要とOpenWorkの評判を詳しく解説していきます。
日本石油輸送株式会社
【概要】
石油製品や化成品、高圧ガス、セメントなどの輸送・貯蔵を主力とする、日本有数の総合物流企業です。特に石油製品のタンクローリー輸送では国内トップクラスの実績を持ち、インフラを支える社会的貢献度の高い事業を展開しています。本社は東京都にあり、全国に営業所を持つ大手企業です。
【データ】
残業時間:17.5h/有休消化率:65.4%/激務度:52
【評判】 OpenWorkでは、残業時間が比較的少なく、ワークライフバランスを重視する社風があると評価されています。特に本社部門や内勤者においては、安定した働き方ができるという声が多く見られます。一方で、現場のドライバー職については、運行スケジュールや納期により残業が発生する場合もあるという指摘もありますが、業界内では比較的コントロールされている傾向です。
【まとめ】
残業時間、有休消化率ともに業界平均を大きく上回る好データを示しており、トップにランクインしました。大手企業としてのコンプライアンス遵守意識と、インフラを担う企業としての安定性が、ホワイトな労働環境を支えていると言えます。
日本通運株式会社
【概要】
陸・海・空を網羅する国内外の総合物流最大手です。タンクローリー輸送は、石油・化成品・高圧ガスなどの専門輸送部門として展開しており、日本全国の安定した輸送インフラの一端を担っています。事業規模が非常に大きいため、物流業界全体でのノウハウやリソースが豊富です。
【データ】
残業時間:19.8h/有休消化率:61.0%/激務度:59
【評判】
大手ならではのコンプライアンス意識の高さと、労務管理の徹底が評価されています。「残業は部門や時期によるが、サービス残業はほぼない」「有休は比較的取りやすい雰囲気がある」という口コミが見られます。ただし、部門や地域によって働き方の差が大きい可能性もあるため、配属先での実態は確認が必要です。
【まとめ】
巨大な組織でありながら、残業時間が20時間未満に抑えられ、有休消化率も6割を超えている点は特筆すべきです。安定した経営基盤と整備された人事制度が、ホワイトな働き方を実現している要因と考えられます。
鴻池運輸株式会社
【概要】
総合物流サービスに加え、製造工程や空港関連サービスも展開する総合的な社会インフラ企業です。タンクローリー輸送も手がけており、特に製造メーカーとの取引が強く、多岐にわたる品目の輸送を担っています。物流の「川上から川下まで」をサポートする点が特徴です。
【データ】
残業時間:25.1h/有休消化率:60.5%/激務度:65
【評判】
「ワークライフバランスは部署次第だが、全社的に残業を減らそうという意識はある」「休日出勤は振替休日が取得できる」といった声があり、労務管理への意識は高いことが伺えます。特に内勤部門では、安定した働き方が可能という評価が多いです。
【まとめ】
残業時間が25時間台で、有休消化率も60%台をキープしており、激務度は65と良好な水準です。物流と製造支援という安定した事業基盤を持つことが、過度な激務を防ぐ一因となっていると考えられます。
センコーグループホールディングス株式会社
【概要】
燃料・化成品、食品、住宅など、多様な分野の物流を担う大手総合物流企業グループです。タンクローリー輸送は、石油製品や化成品輸送の一部門として展開しており、独自のネットワークとノウハウで全国の物流を支えています。
【データ】
残業時間:23.3h/有休消化率:54.1%/激務度:69
【評判】
「残業を減らすための施策が積極的に行われている」「比較的有休は取得しやすい」といったポジティブな口コミが見られます。特に若手層からは、教育制度や福利厚生が充実している点も評価されています。ただし、現場の業務量によっては、繁忙期に残業が増えるという意見も一部あります。
【まとめ】
残業時間は20時間台前半と比較的低く、ホワイト企業の基準を満たすデータを示しています。グループ全体での働き方改革への意識が、この激務度につながっていると見られます。
上組
【概要】
港湾運送事業を核とし、倉庫、陸上輸送(タンクローリーを含む)、国際輸送などを展開する港湾物流の大手企業です。特に石油・化成品等の液体輸送も手がけており、港湾と連携した一貫輸送体制を強みとしています。
【データ】
残業時間:25.7h/有休消化率:54.0%/激務度:72
【評判】
安定した事業基盤を持つため、「会社の将来性は安定している」という評価が多いです。ワークライフバランスについては、「部署による差が大きいが、有休は申請すれば基本的に通る」という声が目立ち、取得のしやすさがホワイト度を押し上げている要因です。
【まとめ】
激務度は72という結果ですが、安定した有休消化率が、働きやすさを示唆しています。港湾というインフラに関わる安定性が、過度な労働を避けられる要因となっているようです。
鈴与株式会社
【概要】
港湾運送、倉庫、陸上・海上・航空輸送、そして建設、エネルギーなど多角的な事業を展開する鈴与グループの中核企業です。タンクローリーによる危険物・液体輸送も重要な事業の一つであり、長年の歴史と信頼を背景にインフラ輸送を担っています。
【データ】
残業時間:25.6h/有休消化率:49.3%/激務度:76
【評判】
地域に根差した大企業であり、「福利厚生が充実している」「転勤が少ない(地域限定職の場合)」といった点が高く評価されています。ワークライフバランスについては、残業は部署や時期によって発生するものの、有休の取得を奨励する風土があるという声もあります。
【まとめ】
激務度は76となりましたが、残業時間は抑えられています。歴史ある大企業としての安定した労務管理体制が、働きやすさの基盤にあると考えられます。
タンクローリーで本当にホワイトな企業をさがすには入念な調査が必要!
ランキングでご紹介した企業は、客観的なデータに基づいてホワイト度が高いと判断できますが、これはあくまで企業全体の傾向です。タンクローリー業界は、事業所や配属される部門(内勤、ドライバー、整備など)によって、働き方が大きく異なることが一般的です。
特に物流業界では、「現場」と「本社・管理部門」で残業時間や休日の取りやすさに差が出やすい傾向にあります。本当に自分にとってホワイトな企業を見つけるためには、客観データに加えて、より具体的な情報を得るための入念な調査が不可欠です。
ホワイト企業か判断する方法1:関係者に聞く
企業の内部情報を得る最も確実で具体的な方法は、その企業や取引先、協力会社など、「中の人」や「関係者」に話を聞くことです。
OB・OG訪問や、LinkedInなどのビジネスSNSを活用して、コンタクトを取ってみましょう。いきなり「ホワイトですか?」と聞くのではなく、具体的な業務内容、繁忙期、部署の雰囲気、有休の取得実績などを聞くことで、リアルな働き方を引き出すことができます。
ホワイト企業か判断する方法2:全ての口コミサイトを入念にチェック
OpenWorkのような口コミサイトは、情報の宝庫です。ただし、一つの口コミを鵜呑みにするのは危険です。
重要なのは、複数の口コミを読み込み、「傾向」を掴むことです。「激務」「休みが取れない」といった意見が、どの部署・職種で、どのような理由で発生しているのかを冷静に分析してください。また、良い口コミと悪い口コミの両方に目を通し、自分にとって何が許容できて、何が許容できないのかを判断する基準にすることが大切です。
転職エージェントをフル活用する
タンクローリー業界に特化、または物流・インフラ業界に強い転職エージェントは、非公開の内部情報を把握しているケースが多いです。
エージェントは企業の採用担当者と直接やり取りしているため、「配属予定の部署の残業時間の実態」「退職者が多いかどうか」「現場の雰囲気」など、口コミサイトには出回らない情報を保有しています。
特に、「このランキングに乗っていないけれど、働きやすさに定評がある中堅・ニッチな企業」を探している場合は、エージェントの力を借りるのが最も効率的かつ確実な方法です。
タンクローリー業界の特殊性を理解する:安全管理と教育体制のチェック
タンクローリー輸送は、危険物や高圧ガスなどの取り扱いを伴うため、一般的な物流とは異なり、安全管理の徹底が義務付けられています。
本当にホワイトな企業を見極めるためには、単なる残業時間だけでなく、安全への投資と教育体制をチェックすることが重要です。例えば、新入社員や定期的な安全教育が体系立てて実施されているか、車両の点検・整備をドライバー任せにせず、会社が責任をもって行っているかなどです。
タンクローリー業界への転職は、日本のインフラを支えるやりがいのある仕事です。あなたが本当に納得できるホワイト企業を見つけるためには、客観的なデータ、関係者の生の声、そしてエージェントからの専門的な情報をすべて組み合わせて、総合的に判断することが不可欠です。



